3年A組の猫羽さん さんっ！

3月9日 ページ16

眠っている柊の傍には、柊の手を握りながら机の足に寄りかかって目を瞑っている猫羽と、心配そうに先生を見つめる茅野がいる








そこに宇佐美が入って来て先生の様子を聞く







茅野は小さく首を横に振る










宇佐美｢…大丈夫かな…猫ちゃんも｣








二人がチラリと猫羽を見るがピクリとも動かない彼女は、深い眠りについているのだろう……







＊




生徒が各々時間を過ごす中、一向に柊から連絡が来ないので指揮官がイライラしていた






そこに郡司の部下である宮城が部屋に入ってくる








近況を報告すると、新たな手掛かりになる情報は得られなかった様だ








｢他に誰かいないのか｣と、不機嫌な様子で呟くと、宮城は｢1人、心当たりが｣と伝える







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相楽家の門前に警察が立っているのを相楽孝彦が確認すると、椅子にゆっくりと座り、パソコンを操作する







開かれているのはMindVoiceの投稿画面









それを神妙な面持ちで見つめ、”投稿する”ボタンをクリックした








投稿された動画を見た人はすぐに反応した







投稿された動画は、先日、”武智大和が景山澪奈とビルに入って行く様子を捉えた防犯カメラの映像”として世間に広まったものだった







だがしかし、ビルから出てきた人物は”柊一颯”だったのである







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それを見た生徒は混乱するもの、慌てているものが複数人見られる







柳本｢あれ先生が作ったフェイク動画だったんだよね？｣






そう確認すると皆が頷く







瀬尾｢これで景山の殺人容疑が一気に先生に変わった！｣













窓の外は夕日でオレンジに染まっている……




＊




MindVoiceに投稿されていくものを、美術準備室でずっと柊に付き添っている茅野、宇佐美もスマホで見ていた







宇佐美｢ぶっきーが一気に悪者に…｣




茅野｢誰が流したの……｣







そこに柊の携帯のバイブレーションが響く









胸ポケットに手を伸ばし携帯を取ろうとすると、柊の手が茅野の手を掴んだ








宇佐美｢…ぶっきー？｣








柊はうっすらと目を開け、画面を確認する









相手は”S”。相楽孝彦だ









孝彦は、柊に”予定より早く動画を上げたこと”、”警察に出頭すること”を報告した








最後に、｢文香の心に寄り添ってくれてありがとう｣と言い、電話を切った








それを聞いて柊は深く何かを考えている様だ

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