3年A組の猫羽さん

＊ ページ22

……教室の空気が重い……潰れそう








前側のドアに寄りかかって教室…クラスメイトの観察をする









｢つまんないにゃ〜……っと？｣









あぁ、いたいた。楽しい……か分からないけど、面白そう









僕が目を付けた水越ちゃんはスタスタと歩いて茅野ちゃんの元へ行き、彼女が持っていたパンを床に投げ捨てる









｢……｣








そんな水越ちゃんをクラス全員が注目する











水越｢許さない…｣









そう口にした水越ちゃんは怒りを茅野ちゃんにぶつけ、彼女を叩こうとしていた









｢辞めなよ〜｣









その手を掴んで茅野ちゃんを庇う











水越｢っ離してよ！｣








｢あぁ〜うるさ…そんなに叫ばなくても聞こえるから〜｣












掴んでいた手を離してそのまま自分の耳を塞いで首を振る












水越｢なんで！！そんな女庇うの！！｣










｢えぇ〜話聞いてたら茅野ちゃん別に悪くないかな〜って思ったから？｣









水越｢っ…学校も来ないで何してるか分かんないヤツにっ…｣











その言葉にピクっと反応して、僕は目の前にいる水越ちゃんをギロッと睨みつける









＿＿＿






バァンッ







水越の顔の近くを何かが通り過ぎ、窓へとそれがぶつかる音でシーンっと静まる教室









全員は物を投げた猫羽を驚きの表情で見つめる










｢あぁ…ごめん。手、滑った｣










いつもより低い、無機質な声で水越に謝る猫羽










滑った…と言いながら勢いよく振りかぶった彼女の表情はフードで見えない










｢で…？何してるか分かんないヤツ…だっけ？｣










水越に一歩一歩近づき、黒板まで追い込む











｢……何でお前に教えなきゃいけないの？｣










全員がその声に恐怖を感じて静まり返っている……










｢……なぁんちゃってえ〜ふふっ、ビックリした？！怖かった？ねえねえ、どうだった〜？｣










その空気をぶち壊したのは、ご本人様……。フードをとっていつもの笑顔を浮かべる猫羽









｢誰も返事してくんないの〜？もういいや…っ｣











そう言って教室を出て行った彼女の背中を全員がキョトンと見つめた

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