AM11:50 ページ16
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惹かれてんな、って
なんとなく実感し始めた頃には､
もう「取材」だとか「ネタ」だとかってことは考えないようにしてた｡
恋なんてほとんどしたこと無いし､
そもそも僕はモテないから｡
きっと、王女に対する憧れみたいなところもあるんだけど｡
少し移動して、王女を待たせている間に
今話題になっているジェラートの店に並ぶ｡
お金をケチっているわけじゃないけど、さすがにジェラート代は経費から落ちないだろうから
王女のジェラートだけを購入して、広場に戻る｡
ここはスペイン広場｡
イタリアだけどスペイン広場｡
ピエトロ・ベルニーニの噴水から、丘の上まで階段が続いている｡
眼下には、イタリアいちのショッピング街が広がっていて｡
「お待たせしました〜」
人でごった返す階段の上で王女は待っていた｡
こうして見たら、やっぱり普通の女性だ｡
王女が全く飾らないせいか、だんだんと僕の緊張もほぐれてきた｡
「わあっ、何それ！」
「ジェラートです！バニラとラズベリー味ですよ」
「プレゼントしくれるの？」
「ええ、もちろん」
「ありがとう…！あなたは紳士ね！」
「いや、あなたが一文なしだからじゃないですか(笑)」
「それもそうなんだけどね(笑)」
ジェラートを大切そうに受け取って、笑う彼女｡
カメラを構えると、レンズに向かって微笑んでくれた｡
初夏と言えど、陽射しは容赦なく降り注ぐ｡
王女、というか女性を日焼けさせるわけにもいかないので
ジェラートを堪能する彼女を日陰のテラスまで連れて、椅子に腰かける｡
「美味しいわ。ジェラートさえも食べたこと無かったのよ」
「え、そうなんですか？」
「だって体重管理厳しいんだもん。ん〜、おいし〜い♪」
「体重管理!? そ、そんなこと… あるんですか？」
「一国の王女だもの、やっぱり美しくいなきゃ駄目じゃない。ドレスのサイズは決まってるし、必ずカロリー計算された食事を摂って、間食も禁止」
「…やっぱり厳しいし忙しいですよね、王族って」
「ほんとそうなのよ！」
「このジェラートは食べてもいいんですか？」
「ええ！私がオッケーしてるんだから」
「ずいぶんな無茶ですね(笑)」
物凄い速度でジェラートをたいらげる彼女を見てるだけで、僕は楽しい｡
すると彼女は突然、スプーンにジェラートをすくって僕の方へ向けた｡
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るるん(プロフ) - なんて素敵な作品なんでしょう。ロマンティックさに私の心がどじょうの踊り食いのようにいきいきとドクドクいたしました。如月さんのファンです。またお会いできる日があることを楽しみにしております＾＾ (2020年5月13日 19時) (
レス) id: f74975a042 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと - 今回も面白かったです！ジミンペンなので嬉しかったです！！次の作品も楽しみにしてます！！ (2018年8月21日 14時) (レス) id: 40f8865bdc (このIDを非表示/違反報告)
jminachim(プロフ) - ローマの休日、大好きなので、ジミンちゃんで書いてくれて嬉しいです！とても面白かったです！ (2018年7月28日 20時) (レス) id: f1d85013b4 (このIDを非表示/違反報告)
カカオ70%(プロフ) - 今回も面白く読ませていただきました。次作も楽しみに待っております。ありがとうございました。 (2018年6月16日 1時) (レス) id: 16b93b765b (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - Sakiさん» 「アメリカンショートカット ローマの休日」で検索していただいたら、オードリーの画像が出るかと思われます。ローマの休日でオードリーが披露し、世界的に流行した髪型なんですよ(^-^) (2018年6月11日 21時) (レス) id: 3978748180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2018年5月31日 18時
