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テヒョンの世話係が運転する車で
ナムジュンのマンションまで走る ｡
流れていく街並みはいつもと変わらないのに
ふと あいつが歩いているような気がして
でもそんなはずなくて
落胆しようにも 、うまく出来なくて
「……ヒョン、溜め息つきすぎ」
「え……あ、ああ」
「緊張してるの？」
「……」
……あいつからの手紙って ､
なんなんだろう ｡
ジニヒョンが受け取ったって言ってたけど ､
なんでジニヒョンなんだろう ｡
次々と浮かんでくる疑問 ｡
それでもどこか 、
テヒョンは余裕な素振りを見せていて ｡
俺は本日何度目か分からない溜め息をついた ｡
「お前最初からこうなるって分かってただろ」
テヒョンは外を眺めたまま 、
長い睫毛を はためかせた ｡
「だから告訴するなんて言い出したんだろ」
「……」
「黙ってんじゃねぇよ」
こいつは昔から ､
一番何を考えてるのか分からないやつだった ｡
そんなテヒョンでも ､
あいつのために必死に考えたのだろうか ｡
……あいつを守りたいと 、思ったのだろうか ｡
テヒョンは微笑んだ ｡
哀しく ｡
「少しでもいいからヌナを楽にさせてあげたかったんだ」
「……だけど」
「ヌナのこと一人ぼっちにさせちゃったよ」
テヒョンの声が震えてるのには
気付いていないふりをしてやる ｡
窓の外には ､
あの日のまま 時を止めたように変わらない
俺たちの居場所が残っていた ｡
深紅の壁に 、漆黒の瓦屋根 ｡
もう遠い昔のことのように感じる ｡
けれど 、まだ１ヶ月と少ししか経っていない ｡
ろくでもない生活だったけど 、
テヒョンがいて 、ジョングクやジミンや
ナムジュン 、ホソク 、ジニヒョンがいて
そして あいつがいて
その中に俺もいて
戻りたいなんて思わないけれど
あいつがいない この世界じゃ
前の方が
マシだったんじゃねぇのかなって
そんなこと思いたくないけど 、思ってしまう俺がいる ｡
何よりも ､
あいつがそう思っている気がするんだ 。
戻りたい って 。
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ゆちこ(プロフ) - ポンナル・・・(号泣) (2020年12月13日 22時) (
レス) id: bc049b52d2 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - スメラルドの伝説みたいですね…最後に報われて良かったと心から安心しました (2020年1月4日 14時) (レス) id: 52952f4d90 (このIDを非表示/違反報告)
yka.(プロフ) - 本当に大好きなお話です。一本の映画を見終わった時の感動、いや、それ以上の世界観に本当に引き込まれました。読んでいる時もう情景が浮かぶというか…本当に大好きなお話です。こんな素敵な作品ありがとうございました。 (2019年8月16日 9時) (レス) id: 537e4a64df (このIDを非表示/違反報告)
kasuminm(プロフ) - とてもとても大好きなお話です。出会えたことに感謝します。今まで読んできた作品の中で一番儚く、綺麗で切ない物語です。ありがとうございます。 (2018年11月24日 12時) (レス) id: 33b54539c5 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 最高すぎる。ユンギは坂を登り彼女は坂を下り、海の見える丘でユンギの煙草の匂いが彼女の鼻をかすめる。青空の下でまた出会う2人。感動しました。 (2018年11月3日 10時) (レス) id: 49a7a7eeba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2018年3月17日 21時
