遊 郭 物 語

＿ ページ15

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「今日はやだ。前ナムにやられちゃったから」


「ナム… ナムジュニヒョンですか？ナムジュニヒョンが!?」


「うん(笑)」


「…… 全然想像できないですよ…」





グクはナムの姿を必死に想像している 。

私には聞こえないボリュームで 何かぶつぶつと呟いたあと 、

私を見て 微笑んだ 。









「どんな僕が欲しいですか？」









するっ と

まるで闇夜を裂く 黒猫のように

グクは 私との距離を詰めてきた 。



対面して座っていたのが 、
あっという間に 目の前にグクの姿がある 。





「今日は僕の成長の見せどころですね。どんなリクエストでも答えますよ。僕の対応力の進化をとくと見るがいいです」


「リクエスト？上か下かってこと？(笑)」


「バカにしないでください！」





上か 下か 、
最初の頃はそれしか出来なかったグク 。

でもこの三 、四年で 色んな技を 色んな客に 仕込まれてきたはず 。






「ぐぅちゃんって呼ばれながら、する」


「ふざけないでください。襲いますよ」


「ん〜…… 実はこれといって無いかな」


「身体 目当てじゃなくて遊郭来るなんて珍しいですよねほんと…」







グクが呆れたように溜め息をつく 。

本当に 、私はグクの 身体 が欲しくて ここに来ているわけではない 。

てか 、ナムもジミンも その他の男の子達にも

基本的に求めているのは “情報” 。

行為 っていうのは 、それを聞き出すためのツールに過ぎなかったりする 。




だがしかし 。


グクはそれが えらく気に入らないようだ 。




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