三夢 君を大切にしてくれた人を思い出せるように…… ページ5
それが夢だと認識するのには少し時間がかかった。
森の中。
ポッカリと浮かぶ満月。
そして──
ｶﾞｷﾝｯ
金属と金属が激しくぶつかり合う音。
(どこだ……、ここ？ 近くで戦いが起こってるみてぇだが……)
夢だろうが、それにしても音や空、近くにある草木までが鮮明だ。
だが、その不信感はそれ以上に抱いてはいられなかった。何故なら──
『早く逃げておくれ！！ あの大樹の方向へ走っていけば、私の部下達がいる！！ これ以上君たちを守りきれない！』
焦燥と乱れた呼吸を孕んだその叫び声は、間違えるはずもなくAの声だった。
「A……！？」
声のする方向へ走る。
夢だからだろうか、気配を察知できない。
ただ声のする方向へ無我夢中に。
「A！！」
これだけの声で叫んでも、Aは見向きもしない。
(聞こえてないのか……？)
『君、十二鬼月かい？ しかも、その異能の便利さは稀血を喰らってる』
剣を構え、対峙する鬼に声をかけた。
異能持ちらしく、十二鬼月程の強さを持っているらしく、Aは随分と疲弊していた。
「フヒャヒャヒャッ！！ お前ェ、随分と疲れてんだろォ？？ そりゃあ、そうだよなァ？？ 女とガキを十人も守りながら俺とやり合ってたんだもんなァ？？」
(【十人】も……？ 嘘だろ？
こんな近距離で十二鬼月レベルの鬼とやり合ってたのか……？ 十人も守りながら？)
Aの呼吸のことを考えれば、それは随分とキツい。
ほとんどの呼吸が使えなくなってしまう。
『ハッ……ハァ……！』
Aは鬼から降り注ぐ斬撃を捌きながら、攻撃を入れていくが中々首に当たらない。
『チッ……！ まったく、厄介なもん降らしてくれるよねぇ！』
「あのお方からなァ、俺はよォ、雨柱の雅楽代っていう奴をだなァ、そいつを殺したら上弦の連中にさせて頂けるんだよ。それはよォ、あんたのことだろォ！！？？？」
そう鬼が言って間もなく。
ポツ、ポツリと雨が降ってきた。
『お……！ ようやくだね。準備が整った
それじゃあ、さよなら』
「あァ？？」
『雨の呼吸 参ノ型 小夜時雨』
その瞬間は目で追えない。
まるで雨が一粒何処かで落ちたかのように、あっという間それは終わる。
「首、斬られ……！？」
鬼が混乱するのも無理はない。
余りにも速いのだ。
サラサラと消えていく首元を見ながら、Aは鬼に声をかけた。
「さようなら。どうか、どうか、君を大切にしてくれた人を思い出せるように……」
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ドナドナ(プロフ) - 心さん» アバババ……il||li (OдO`) il||li あぁ、宇【随】さんになっとる……。気づいてませんでした、教えていただきありがとうございますっ！！m(__)m 更新楽しみにしてくれていて嬉しいですっ！ (2019年9月20日 4時) (
レス) id: 211f5abed1 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - これからの展開を楽しみにしてます！更新頑張ってください！宇髄さんの髄が間違ってます。 (2019年9月19日 15時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
ドナドナ(プロフ) - かなとさん» なんとか、これで消えたとは思います……。すみません、度重なり……。一度、編集保存をするとオリジナルフラグは勝手に立ってしまうのでしょうか？ (2019年9月12日 20時) (レス) id: 211f5abed1 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - またフラグ立っていますが。 (2019年9月12日 20時) (レス) id: 67761ef613 (このIDを非表示/違反報告)
ドナドナ(プロフ) - かなとさん» すいません！！ 外せていないことに気づいていませんでした。教えてくださり、本当にありがとうございます。次回からこのようなミスが二度と無いように確認をします。いま、サーバーの問題？ なのか編集が出来なくなっているので、出来次第早急に外します。 (2019年9月12日 18時) (レス) id: 211f5abed1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドナドナ | 作成日時：2019年9月12日 7時
