十一夢 薄桃色の紫陽花 ページ18
「おい、伝言通り来たぞ! 開けろ!」
「いや、早ぇよ!! 何時だと思ってるんですか!?」
「おぉ、さっきの地味な面したガキじゃねぇか」
「話聞けよっ!? 知ってます!? 今、四時ですからね! せめてあと二刻後に来て下さいよっ!!」
「おまえ、ぎゃーぎゃーうるせぇんな。今何時か分かってんのか?」
「アンタのせいだろ!!」
『はぁ……』
使用人がそう叫ぶと奥から盛大な溜め息が聞こえた。
『全くもう、君たちは……』
「「A!!/A様っ!!」」
『他の子達は寝てるんだ、もう少し静かにしなさい……』
「……悪かった」
「……申し訳ございませんでした、A様……」
『うん。
緋月(ひづき)、お茶の準備をしてきなさい』
「へぇ、お前緋月って言うのか」
「だったら何ですか?」
『こらこら、宇髄君、この子は気が立ちやすいからあまりちょっかいをださないでくれ。
緋月も上司だからね、礼儀をわきまえなさい』
「はい、Aさま!」
緋月と言うらしいガキは「お茶の準備をしてきますね!」と、満面の笑みでAに言った。
「……。お前、また拾ったのか」
『あぁ、救えなかった私の唯一の自己満足的な償いだ』
Aはよく子供を拾ってくる。
任務で出会った家族を殺され天涯孤独になった子供を。
だから、雨屋敷には人が多い。
拾われた子供は隊士になったり屋敷の使用人となる。
『あの子は強い子だよ。
親が殺されて数刻で「何でもするから働かせてくれ」と言った
……、まるで君のようだね』
「俺はあんなにうるさくねぇわ」
『はっは、そうかい?』
Aは明るく話すので、俺もいつも通り喋る。昨日のことなんて無かったように。
花瓶に生けてある、薄桃色の紫陽花がはらりと花弁を散らしていく様を何気なく見ていた。
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ドナドナ(プロフ) - 心さん» アバババ……il||li (OдO`) il||li あぁ、宇【随】さんになっとる……。気づいてませんでした、教えていただきありがとうございますっ!!m(__)m 更新楽しみにしてくれていて嬉しいですっ! (2019年9月20日 4時) (レス) id: 211f5abed1 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - これからの展開を楽しみにしてます!更新頑張ってください!宇髄さんの髄が間違ってます。 (2019年9月19日 15時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
ドナドナ(プロフ) - かなとさん» なんとか、これで消えたとは思います……。すみません、度重なり……。一度、編集保存をするとオリジナルフラグは勝手に立ってしまうのでしょうか? (2019年9月12日 20時) (レス) id: 211f5abed1 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - またフラグ立っていますが。 (2019年9月12日 20時) (レス) id: 67761ef613 (このIDを非表示/違反報告)
ドナドナ(プロフ) - かなとさん» すいません!! 外せていないことに気づいていませんでした。教えてくださり、本当にありがとうございます。次回からこのようなミスが二度と無いように確認をします。いま、サーバーの問題? なのか編集が出来なくなっているので、出来次第早急に外します。 (2019年9月12日 18時) (レス) id: 211f5abed1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドナドナ | 作成日時:2019年9月12日 7時