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20話 ページ20

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「野薔薇は本当にAと恵に結ばれて欲しいんだと思うよ。なんか思いも語ってくれたし」

「……勝手に人の好きな人バラしてる辺りに思いやりは感じられませんけどね」

「確かにね」





野薔薇に小さく温かい思いを持ち始めていると、後ろから「オイ」と低い声が聞こえた。


振り向くととっても不機嫌そうな伏黒が立っていた。


わぁ殺されちゃう♡





「あんた達……、なに考えてんだ」

「…………ん!?あ、いや私は関係ない!」

「A僕のこと一瞬で見捨てた!?」





いや無理。貴方を擁護とかしない。


あんたの教え子でしょ?なんとかしなよ。責任を投げ捨てた私は伏黒の後ろに回った。


蛇に睨まれた蛙のような構図がメンズで出来上がっている。じっと固まった。


五条先生()は気持ち悪い動きをして「だってぇ〜」と猫なで声を出した。


あー気持ち悪っ。まじ気持ち悪い。





「恵とAが全然くっつくないんだもーん。誰かがヘタレだから」

「うるせェな……、時が来たらちゃんと言おうと思ってんだよ……」

「えっ!?ガチギレ恵くん!?」

「チッ……クソ、A行くぞ」

「へ。あ、はい」





私の手首を掴んだ伏黒は踵を返した。


仄かに、繋がっているその部分が熱を持っていた。






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作者名:きゆさずき | 作成日時:2023年8月10日 23時

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