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16話 ページ16
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「はあ！？あんた達まだ付き合ってないわけ！？」
ある土曜日、そう野薔薇が人の部屋で声を張った。
隣に座る真希さんは揶揄うよう肩を揺らしている。
必死な野薔薇とは反対に、顔を歪めた。
「うるさいんだけど」
「あたしはあんた達が信じられないわよ！」
「信じて」
「1000億回聞かされたら流石に信じるわ」
そう言うから言おうと口を開いた瞬間、黙らされるように顔面をぶっ叩かれた。
なにコイツぶん殴っていい？？
「恵へたれたな」
「信じられんあのむっつりめ！」
「あのむっつり」
聞き慣れない代名詞を思わず反芻する。
やっぱアイツむっつりなわけ？
と思っていると、野薔薇がスマホを耳に当てた。
「おい伏黒！！へたれてんじゃないわよ！！」
「待ちなさい野薔薇」
『うるっせェ……切るぞ』
「切んじゃねェよ！！」
「野薔薇、聞きなさい」
「ミルクティーに酒でも入れたか？」
「ノンアルのはずなんですけど」
真希さんは確かめようとミルクティーを口に含んだが、「甘いな」と顔を歪めるだけだった。いや別に感想求めてない。
そして野薔薇は激化するばかり。なにここカオス。
「失望したわ伏黒！！あんたにAはあげられません！」
「誰なの？」
母親か、とツッコんでいると、スマホから伏黒の真剣な声が流れ込んできた。
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作者名：きゆさずき | 作成日時：2023年8月10日 23時
