今日:2 hit、昨日:16 hit、合計:47,660 hit
小｜中｜大
1話 ページ1
.
「おはよう
午前8:00。
早く教室に来すぎて暇を持て余している私の隣に、級友の伏黒恵が挨拶してきた。
あくびを一つしてから顔を上げる。
「おはよー伏黒」
「ん。で今日は前と、」
「待て待て」
流れ作業のように二択を提示しようとする伏黒。
こうなったのは、一週間前からだ。
───「あんた達さあ、恋愛とか興味あるわけ？」
昼休み中、五条先生の悪口で盛り上がっていた私と伏黒の間に滑り込んできた野薔薇の声。
高校生たるもの、恋愛という単語に引き寄せられた私は顔を上げた。
急にどうしたんだろうか。
恋愛と言えば、普段は『この学校にあたしに相応しい人なんて居ないわよ』と見事な発言をしてみせる野薔薇が、珍しくその言葉を持ちかけた。
「急に何さ」
「別に、あんた達って男女の友情とか信じるのかなって気になっただけよ」
「男女の友情ぉ〜？」
俺成立しない派、と外野で言っている虎杖の意見に「意外にぽい」と頷く。
「ちなみに野薔薇は？」
「あたしもない派ね」
ここだけ切り抜くとただ単に質問に答えただけのように聞こえる。
だが、じゃあ虎杖達をそういう目で見れますか？のアンサーに『あいつら人間じゃねーだろ』と答えるんだろうな、と誰に対しても失礼なことを思い浮かべる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 355人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きゆさずき | 作成日時：2023年8月10日 23時
