いつも笑っていて。 (ページ8)

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放課後。

いつもなら、利太と帰るんだけど‥‥。

やっぱり気になる‥‥図書室の彼。

なんでだろ？自分でもわからない‥‥。

ただ、なぜか忘れられない。自分でも不思議‥‥。

「たから、帰るぞ。」

「‥‥。」

「‥‥たから？」

「‥‥あっ‥‥うん‥‥ううん‥‥利太‥‥今日はちょっと寄ってくとこあるから先帰ってて！」

「‥‥なに？寄ってくとこって？」

「‥‥ちょっとね‥‥」

「俺も付き合うよ。」

「ん‥‥‥‥ありがとう。でも今日は大丈夫！遅くならないからっ！先帰ってて！じゃあね！」

「あっ！おいっ！たから！」

急いで教室から出ていくたからを見送る。

‥‥今日のたからは朝から‥‥いや‥‥図書室に

行ってから違ってた‥‥‥。何かあったのか？

俺にも言えないこと？モヤモヤした気持ちが

渦巻く。

「なに～？一人ぼっち～？w」

「‥‥‥‥。」

「‥‥利太‥‥見守るのもいいけど、そんなことしてたら誰かに盗られちゃうかもよ？」

「‥‥かもな‥‥。」

「‥‥珍しく弱気だね‥‥。」

「‥‥‥‥。」

「幼馴染みもいいけど‥‥きちんと伝えなきゃいけないこともあるんじゃない？」

「‥‥‥‥。」

「‥‥まっ！いいけどっ。でも‥‥後悔だけはしないようにね‥‥私は二人の友達だから‥‥。」

「‥‥おぅ‥‥。」

「さっ！じゃあ今日は二人で帰りますかっ！
肉まんでも食べながら♪ねっ？」

「‥‥お前の奢りな‥‥」

「なんでっ！私なのよっ！ちょっと！あんた！聞いてんの？‥‥って、おいっ！置いてくな！」

急いで図書室に向かう。

居るかもわからない‥‥。でも‥‥行かなきゃ‥‥。

ガラガラ‥‥ドアを開けると、数人がこちらに

目を向ける。

私は真っ直ぐ、朝の本棚へと向かう。

今度は‥‥彼の居た場所へ。

‥‥誰もいない‥‥。ヒンヤリとした空気だけが

私を待っていた。

「‥‥クス‥‥当たり前か‥‥約束した訳じゃないのにね(笑)」

なんとなく彼がいる気がして‥‥期待外れにちょっと

凹んでる自分がいた。

「‥‥あぁ～こんなんだったら、利太とあんまん食べたら良かったな‥‥」

そんなことを思いながら、帰ろうとした時、

ふと、本棚の隙間に何かあるのを見つけた。

「‥‥なんだろ？」

手に取ってみる。

「‥‥栞？‥‥」

彼が忘れていったのかな？‥‥それとも別の人のかな？

私は無意識にその栞をカバンに入れた。

「帰ろっと！」

私は急いで図書室をあとにした。

明日‥‥あなたに会う。