誘拐事件 ページ6
は｢皆さん、少し集まってください｣
今回の依頼だ。
はこたろーさんが書いたメモをもとに全員がデスクにぐるっと集まる。
今回の依頼は夫婦からだった。その内容は、誘拐された息子を助けて欲しいとのこと。攫われた息子は小学２年生。身代金の請求額は1000万円で、警察に知らせた場合その命はないと電話がかかってきたそうだ。
は｢身代金の受け取り場所はご夫婦と連絡を取りながらインカムで伝えます。皆さんインカムの確認だけよろしくお願いします｣
｢子供の救出だけですか？｣
は｢身代金についてはこちらにも考えがあります。とにかく男の子の身柄の確保を優先でお願いします｣
高額な身代金を要求してくる犯人のことだから、恐らく金に困っているのだろう。万が一に備えて、私達も武器を装備して現場に向かった。
｢こちら、A、かるてっと。A地点に到着｣
み｢こちらミントス。定位置に着きました。今からスコープ準備します｣
し｢こちらしるこ、じらいちゃん公園前。今からいちはちが身代金を渡しに行く｣
は｢了解。いちはちさんがバックを渡したら、Aとかるてっとさんは建物内に潜入してください｣
誘拐されているという建物は、もう長らく使われていないであろうコンクリートの廃ビルだった。銃は持っているものの、あくまでも護身用で誰かを殺めるためでは無い。潜入用のスタンガンもしっかり携えてきた。
か｢おとんとおかんが心配してるから、早めに帰してやろうな｣
｢…そうだね。ただいまって言わなきゃ｣
左耳に付けたインカムからはこたろーさんの指示が流れてくる。私たちは足音を殺して廃ビルの中に潜入した。
｢私2階から見てくる｣
か｢じゃあおれ階段守ってるから、なんかあったら叫べ｣
1部屋1部屋確認していくも誰の姿も見当たらない。人が攫われてるはずなのにここまで警備が薄いことあるのだろうか。
そんな疑問もありながら、奥の部屋で椅子に縛られている男の子の姿が見えた。私はそっと入り、男の子のそばに駆け寄ると、大粒の涙を拭い自分は敵ではないことを小さな声で伝える。
｢大丈夫、お姉さんはお父さんとお母さんにお願いされて助けに来たんだよ｣
『ほんと…？』
｢うん。大丈夫だから、お父さんとお母さんのところに帰ろう｣
男の子の縄を外し始めた時、外でかるてっとさんのうめき声が聞こえた。振り返ると部屋の外で蹲るかるてっとさんの姿が見えた。
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きのこ丸(プロフ) - 名無しさん» コメントありがとうございます！ (2022年8月7日 5時) (
レス) @page12 id: 8169aa2d03 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続きが楽しみです！頑張ってください！！ (2022年8月3日 19時) (レス) @page2 id: 61fd28e57c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのこ丸 | 作成日時：2022年8月3日 4時
