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か｢A！｣
じ｢Aちゃん！｣
｢じらいちゃん！彼女をお願い！｣
タイミング良くかるてっとさんとじらいちゃんが来た。皆の視線がそちらへ向いたところで私は地面を強く蹴り返し男の方へ向かった。人間、目の前にいきなり来られると対応できないもので、私は男の身柄を取り押さえた。
か｢ほら、これ分かる？｣
｢貴方が彼女に取り付けた盗聴器や送り付けた書類のコピーです。立派な物的証拠ですね｣
『あぁ…それは…』
｢楽しかったですか？人を怖がらせるのは｣
『だって…僕の彼女…』
か｢いい加減現実見ろ。お前は間違ったんだよ｣
かるてっとさんの冷たい声がしんと静かな路地に染みる。
私はコピーを地面に叩きつけると自分の服に着いた汚れを払った。
｢そういえば。明日、彼女はご両親と一緒に警察にこの証拠をもって行くそうです。残念でしたね｣
その後は振り返らずに帰ったものだから、男がどうしたかは知らない。ただ、女性からの連絡で今住んでいる家は移ることになり、ひとまずは警察の監視下に置いてもらえるとの事だった。
この手の相談は後を絶たない。
それは性別が男性であっても女性であっても同じことだ。
また、探偵事務所と言いながら、金を払ってもらえれば何でも調べるし引き受けるという一般的な探偵とは異なるというか、やってはいけないこともしているので、私たちが直接警察にいくことはない。
｢解決したけど、結局動かないといけないのは被害者の方だなんてなんだか納得いかないな｣
い｢Aは真面目だからそうやって考えちゃうんだね｣
｢結果的に詩織さんはあのカフェを辞めることになってしまったし…。罪悪感もあるよ｣
じ｢皆ー！おやつもらったー！｣
事務所内に響く声。見慣れたケーキボックスを持ってきたじらいちゃんは私にそのボックスを開けるように促した。言われるがまま開けてみると、そこには8つのケーキが入っていた。
じ｢あの子、引っ越した先の系列店で働けることになったんだって｣
｢辞めなくて済んだってこと？｣
い｢みたいだね｣
じ｢今度はしるこさんが2つ食べても良いように8つくれたよ｣
し｢やったー！はこたろー今日は紅茶がいい！｣
は｢自分でやれ｣
自分のやったことに間違いは無いのか。その答えを出すのはこの仕事をしている限り難しいかもしれないけれど、今はこのケーキが自分を許してくれる気がした。
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きのこ丸(プロフ) - 名無しさん» コメントありがとうございます！ (2022年8月7日 5時) (
レス) @page12 id: 8169aa2d03 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続きが楽しみです！頑張ってください！！ (2022年8月3日 19時) (レス) @page2 id: 61fd28e57c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのこ丸 | 作成日時：2022年8月3日 4時
