… ページ38
｢あああっ、くそ！｣
か｢A、大丈夫か？｣
｢私は大丈夫。すぐにでも追わなきゃ｣
か｢でも爆弾が...｣
この爆弾が本当に爆発するものなのかも分からない。
でも本当だったら、監視カメラだって壊れるし、彼らがここにいた証拠はなくなるが、大勢の人が巻き込まれてしまうことも確かだ。途方に暮れるかるてっとさんと私の前に、ピンクの妖精が立ち上がった。
じ｢じらいちゃんに任せて｣
｢...でも｣
じ｢Aちゃんは咲ちゃんを追って、かるてっとさんはしるこさんに連絡して、その後ここの警備の人に爆発物があるって伝えて。解除は俺がやるから。じらいちゃん爆弾のスペシャリストだし！｣
真剣な顔から、最後だけ私たちを安心させようとしてくれたのか、おちゃめに笑ってみせた。そうだ、ここで立ち止まっている暇はない。
私たちは各々走り出した。
最終的な結果だけ話すと、咲ちゃんは無事だった。
爆発物があると混乱のさなか逃げる人達に紛れ、一足先に逃げた私とかるてっとさんは合流することが出来た。
じらいちゃんを迎えに行こうとする私の腕を引いて、かるてっとさんはいちはちさんに連絡を入れた。
｢ちょっと！｣
か｢いちはち？ごめん今車回せる？ん、分かった。さんきゅ｣
｢かるてっとさん離して！じらいちゃんが！｣
か｢待て！我慢しろ、行くな｣
引きずられるようにして帰った家で流れていたのは、私たちがさっきまでいたショッピングモールの火災を知らせるニュースだった。ほうっと目の前が白くなるような感覚がして、膝をついた私を支えたのはじらいちゃんだった。
｢...え？｣
じ｢皆のこと逃がしてくれてありがとうAちゃん｣
｢なん...、生きてる？｣
じ｢危なかったけどね。そんなに心配してくれてたの？｣
火災は30分と経たずに消し止められ、ニュースキャスターは、怪我人もいない不幸中の幸いだと話している。私はじらいちゃんに抱きついて、安堵から零れた涙をじらいちゃんの洋服にじわじわと染み込ませた。
｢いなくなっちゃったかと思った...｣
は｢強引に連れて帰って来ちゃったから不安になったのかもしれないですね｣
じ｢大丈夫。俺たち仲間だから居なくなったりしないよ｣
｢約束？｣
じ｢うん、約束｣
私と6人の約束が出来た日だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きのこ丸(プロフ) - 名無しさん» コメントありがとうございます！ (2022年8月7日 5時) (
レス) @page12 id: 8169aa2d03 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続きが楽しみです！頑張ってください！！ (2022年8月3日 19時) (レス) @page2 id: 61fd28e57c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きのこ丸 | 作成日時：2022年8月3日 4時
