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かるてっとside
ご飯を食べる手を止めてうーん、と考え続けるA。特段恋愛感情があるかないかなんて気にしたこともないが、何となく気になってしまう自分もいた。
「難しいね。皆良いところ沢山あるし、苦手なこととか良くないところも人だからもちろんあるしさ」
し「えー、俺のいい所ってなに?」
「しるこさんは甘えるのが上手だね」
し「やだ、照れちゃう」
この業界に入って、誰かと共に人生を歩むなんてこれっぽっちも考えたことなかった。今は目の前の仕事に全力を注ぎたい気持ちもあるし、仮に大切な人が出来たとしてもその人を危険に晒す可能性だってあるからだ。
じ「じゃあ逆に、Aちゃんがパートナーに求める条件は?」
「趣味が合う人、かな。楽しいし楽だと思う。あとは喧嘩した時とかに話し合いがきちんとできる人」
み「Aちゃんは堅実派?」
「まぁそうだね。硬派に悪い人はいないよ」
出会った頃は、警戒心強めな子だなって思ってた。
目線は合わないことの方が多かったし、少しでも踏み込もうとすると倍の速度で引き下がっていくような心の距離感、自己主張もあまり強くはなかった。
そんなAが唯一やる気を剥き出しにするのが訓練だった。銃を正確に撃つ技術や、ナイフで自身の身を守る方法など、慣れないことや体格的について行くことも難しかったと思う。でも、Aは汗を拭って、決して弱音を吐かずに食らいついてきた。
間違いなく芯の強い奴なんだろうなと思った。
一緒に任務に出るようになってからは、必然的にコミュニケーションも増えていったし、少しづつ目を見て話してくれるようになって、嬉しくなったのを覚えている。
い「結婚ねぇ」
か「今はその答え出すのムズいんじゃね?」
し「確かに。言い出しっぺ俺だけど、俺からしたら皆大切だもんね。俺はこたろーと結婚したいけど、願わくば皆と一緒にいたいもん」
知ってる、こういう時のしるこさんはずるい。
みーんな持っていっちゃうくらいずるい発言をする。
Aも照れたような、仕方ないなぁみたいな顔して笑ってる。「私もそうかな」なんてぼそっと呟いた言葉を逃さずに俺たちは拾い上げていく。
し「え、今なんて?」
み「俺たちが大切ってことですか?」
「や、そっちじゃなくて」
じ「あー!Aちゃんお顔赤い」
い「照れてるの?」
か「ツンデレか?」
は「ツンデレですね」
「皆!」
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きのこ丸(プロフ) - 名無しさん» コメントありがとうございます! (2022年8月7日 5時) (レス) @page12 id: 8169aa2d03 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続きが楽しみです!頑張ってください!! (2022年8月3日 19時) (レス) @page2 id: 61fd28e57c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのこ丸 | 作成日時:2022年8月3日 4時