信じてもいいかな ページ7
「…とりあえず、手続きするぞー」
「あっ、はい……」
おそらくこれから僕の主になる人から渡されたのは、何かの書類。前の本丸の名前とか、移動理由とか、僕の強さを数値で表した『すてーたす』なるものを書くことになった。
書いている途中も、その人はずっと赤べこを触っていた。よく分からない人だ。
正直、まだ信じるべきか自分の中でも迷っている。人間には美点と汚点があり、初対面ではみんな美点だけを見せてくることも知っていた。だけど、僕はこの人を信じたい。
もはや付喪神でもダメかもしれない怪我の手当てをしてくれた。僕のことはなんて何も知らないはずなのに、本丸に入れてくれた。
それに、ここの雰囲気はあそことは違う。いつも結果だけを重視する、未熟な審神者の張り詰めた空気はないんだ。
それに前田も膝丸も、僕みたいに苦しい思いをしていなかった。きっと、他の刀剣もそうなんだろうから。
信じても、いいかな…
書類を書き終わって、気付けばこんなことを口ずさんでいた。
「ところで他の皆はいないの？僕も早くここに慣れたいし、顔くらい知っておかないとね」
彼女は赤べこから目を離さずに衝撃的なことを言った。
「顔を知るも何も、君が会った二人と、もう一人しかいないよ、ここ」
「少な…っ、ま、まさか…。他の刀は皆、は、はか……」
ここまで刀剣がいないなんていくら何でもおかしい。まさか、自分とそりが合わない刀はみんな壊している、とんでもない本丸なのか…！？
「墓入り？いやそんなまさか」
「え？」
僕が言いたいのは破壊だ。破壊されれば刀剣男士の体は消滅するから、お墓なんていらない。この人、もしかしてそれを知らない…？
「うちの本丸、初期刀と初鍛刀と、シール貯めて貰った刀しかいないんですよ。他の刀が来たら、顕現せずに政府に送ってて」
…この本丸、よく分からない………
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さかな式(プロフ) - 九十九さん» 嬉しいです、ありがとうございます！拙い文章ですが、宜しくお願いします (2018年1月16日 20時) (
レス) id: 5d86fbdd38 (このIDを非表示/違反報告)
九十九(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください！楽しみにしてますよ。 (2018年1月15日 21時) (レス) id: 6ccd555bc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかな式 | 作成日時：2018年1月14日 15時
