演練の時間（下） ページ16
前田サイド
これ以上、あの二人をやられっぱなしで放る訳には行きません。最も手軽で速く、かつ確実な方法で、助けに行きます！
まず、大和守さんと和泉守さんの間に入り、二人の行動を乱す。それに気付いた堀川さんの肩に短刀をねじ込み、次は加州さんの所へ。
こちらは大太刀と太刀がいるので、一気に駆け抜けながら敵を引き裂きます。多少手荒な真似をしても、後で治りますから、ここは本気で行かせてもらいます！
「誰一人とて、逃がしません！」
さあ、ここからは反撃です。兄弟との戦いも、まだ終わっていません。今度こそ終わらせま……
「避けてくれ！」
その声と共に、何かが上から跳んでくる。この場所から離れた方がいい、その本能に従って、あえて斜め上に跳んだ。
風を切る音と、肉の斬れる音。その少し後に、己の着地する音がした。
目の前には、なんとか避けきった加州さんと、傷を負いながらも無理やり耐えている大和守さん。そして、
「…チッ、油断が過ぎたか…」
先程までいなかったはずの膝丸さんがいる。
そして、それと対峙する人物にやっと気付いた。
嗚呼、もしかして膝丸さんがずっと視界から抜けていたのは…！
「はっはっは！俺を楽しませろ！」
薙刀である岩融さんを抑えるためだったのか！
「絶対に前線に出すわけにはいかないと考えての行動だったがな…。ここまで来られてはもはや仕方あるまい」
「膝丸さん……？」
彼は既に装甲がぼろぼろで、深い傷だってあるのです。それでも、まだやると言うのですね…。
分かりました、貴方に応えましょう！
そして、先程までの彼とは思えない程に優しい表情で手招きされた。素直に近付いていく。
…彼は僕に、信じられない事を言った。
「俺が三人の相手をする。その間に、二人と連携して他の三人を倒せ。何、心配するな。俺は太刀にしては足が速く、身の隠蔽も得意だ。この場は切り抜けてみせよう」
…それは無茶だ。いくら太刀であろうと、そんな事をしては一瞬で決着はつくに違いない。
けれど、僕はその人を信じてみたくなった。
それ程に、彼の瞳は真っ直ぐなのですから…。
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さかな式(プロフ) - 九十九さん» 嬉しいです、ありがとうございます！拙い文章ですが、宜しくお願いします (2018年1月16日 20時) (
レス) id: 5d86fbdd38 (このIDを非表示/違反報告)
九十九(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください！楽しみにしてますよ。 (2018年1月15日 21時) (レス) id: 6ccd555bc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかな式 | 作成日時：2018年1月14日 15時
