天才医師の難病【トラファルガー・ロー】 (ページ29)

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28話ページ29

A「………」

ラル「ごめんね。A……、私のせいで」

A「何のことだ。姉貴が図ったんじゃねェんだろ? 愛娘が大事な大事なクソ親父が仕組んだんだ。俺は親父をさらに憎むだけだ…!!」

　窓の外を向いたまま拳を握る
　荷物を置いてすぐに盗聴用黒電伝虫を持って姉貴の部屋へ行った

ラル「…………」

A「んじゃ、まァ…。俺がアンタになるわけだが…。アンタの性格とか、演じるうえで必要な事全部教えてくれよ」

ラル「え、ええ……」

～☆～

　

　

　

ラル「＿＿＿と、こんなところかな」

A「ふーん…。声、身長、髪色、瞳の色、性格、趣味…全部違ェのに無茶苦茶だな」

ラル「A、すっごく男の子って感じ」

A「ほっとけ。俺だって女だ、好きな奴くらいすぐにできる」

ラル「その時は教えてね」

A「……気が向けばな」

　短い時間だが、一緒に居て楽しいと思えた
　兄弟という触れたことのない物に触れた

　姉という暖かさに初めて触れた
　少し、心地いいという感情が生まれた

A「なァ…あんた、他に結婚する予定の奴が居んのか?」

ラル「パパとママが…王族の子と話を進めてる」

A「娘が王族に嫁げば、自分たちは貴族から王族になれんだもんなァ」

ラル「でも」

A「あ?」

ラル「でも、私他に好きな人が居るの。駆け落ちでいいから一緒になろう…って約束してる人が…」

A「……………一般人か」

ラル「うん、島の基地に居る海兵さん…」

A「海兵ねェ…(……俺も短い間だったが海軍の訓練、受けた事あったなァ)」

ラル「パパにもママにも行ってなくて…。絶対、許してくれないよ……!」

A「……自分の子供の意見は無視か…。なんつー奴らだ」