第25話 ページ25
「ヴァナタはここにいなさい。私が先に降りて、話してくるわ。合図したら、降りてきて」
「…分かった」
浮上してきた潜水艦にハンコックが移り、出てきた船員と話をしている。イワンコフも移るようで、自分もと足を踏み出すと止められた。
なんとなく話している内容は分かるが、なにせ遠い。断片的に聞き取ることしかできず、焦ったくて合図を待たずに飛び移った。
「！ か、海兵！？」
「ま、待ってなさいって言ったじゃない！！」
「待てるか！ 弟は……。ルフィは無事なのか?!」
「………現状、命は繋いでる」
トラファルガーの言葉に、一気に力が抜けた。命を繋いでくれた、それだけでありがたい。生きたあの子に会える可能性がある、本当に嬉しい。
「そ、か……。命を繋いでくれたか…！」
「それで？ アンタは、俺たちを捕まえに来たのか？」
「……いや。私は、この軍艦を追いかけてきただけだ。……そろそろ戻ろう、トーヤ。飛べるかな」
相棒に声をかければ元気に一声鳴いて、大きくなる。手錠は本部に戻れば外せるし、言い訳にも使えるのでそのまま飛び乗った。
「…何も聞いていないし、何も見ていないから安心して」
「ヴァナタの報告は…、まあ新聞を見れば分かることね。期待してるわ」
「言われずとも」
＊
刀も拳銃もコートも、全て軍艦に忘れてきたことは本部についたから思い出した。
「A！」
「！ あ、モモンガさん。海楼石の手錠のスペアキーあります？」
「どうたんだ！」
「やー、追いかけた軍艦に脱獄囚が乗ってまして……。人質なりかけたとこを逃げ出してきた感じです…」
あはは、と情けなく笑っているとモモンガさんの部下がスペアキーで手錠を外してくれる。目の前にいる彼は険しい顔だが、それもそうだろう。
脱獄した囚人の一部が軍艦を奪って逃走しているのだから。
「報告は後でいい。とにかく医務室に行け、今は戦場の片付け中だ」
「はい。治療が終わったら、片付けに来ます」
「ああ。無理するなよ」
「はい。ありがとうございます」
軽く頭を下げて医務室へ向かう。落ち着くと痛みはやってくるもので、切り傷やら打ち身やらで体中が痛かった。
医務室に着けば多くの海兵が治療されており、医師・看護師は慌ただしく駆け回っていた。
「A中将！」
「消毒とガーゼと湿布だけ貰えたりする？ 自分でやるから」
「すみません！ 持ってきますので、少々お待ちください！」
「ありがとう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こめっと(プロフ) - すみません、仕事忙しくて全然更新できてません。落ち着いたらまたちまちまやります… (2023年3月24日 22時) (
レス) id: 10f010dabd (このIDを非表示/違反報告)
こめっと(プロフ) - ルカさん» こんばんは。パスワードとは、こちらのリメイク前の作品のものになりますか？ (2022年11月30日 22時) (レス) id: 10f010dabd (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - R-18のパスワードがわかりません，どうしたらいいですか? (2022年11月30日 6時) (レス) @page23 id: a671b722f5 (このIDを非表示/違反報告)
こめっと(プロフ) - やこさん» こんばんは！♡とか濁点とかいっぱい使っちゃっていいですか？？？？(息荒げ (2022年11月27日 22時) (レス) id: 10f010dabd (このIDを非表示/違反報告)
やこ(プロフ) - 好きです。こんばんは！ｴｯｯｯｯｯｯｯｯﾛｲの待ってます((( (2022年11月27日 0時) (レス) @page23 id: b158067adc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
