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#64 ページ15
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約束の日。
土地勘があまりないわたしに配慮してくれてなのか、青道近くの土手が集合場所だった。
指定された待ち合わせ場所につき、時間を確認してみるとだいぶ早かった。
迷うかと思って早め早めに行動しすぎた。かなり早くついてしまった。
ふふふーんと暇つぶし程度に適当な鼻歌を歌っていた。
それは突然やってきた。軽快な笑い声と一緒に。
「Aちゃん、それ鼻歌のつもり?
鼻歌ってもっと小声なんじゃないの?」
どうやら御幸さんの笑いはわたしの鼻歌についてだった。かなりツボにハマったらしい。
よし、じゃあほら。なんて手を指し伸ばす。
並んで歩いているとデートっぽい。
ふと…思い出してしまって並んで歩く足取りが重くなる。
「高村?」
完全に立ち止まってしまった。
思い出してしまったのは文化祭の日に言われた言葉。
わたしは一体なんなのだろう。
ある程度の気持ちは伝えたつもりだったし、御幸さんの背中を追ってここに来たのも確かだ。
御幸さんは、好きだと言ってくれた。
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作者名:ゆめみるきのこ | 作成日時:2023年8月24日 14時