とおくてちかい。 (ページ44)

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言葉通り一段落つき、休憩に入る。
急いで執事服を脱ぎ制服に着替える。この際固められた髪の毛は仕方がない。

休憩があまり長くないから、と財布片手に教室を飛び出した。
前を見ていなかったこともあるけど、誰かとぶつかってしまった。

「すみませんっっっっ」

と誤り、ぶつかった衝撃で落ちてしまったその人の持ち物と自分の財布を拾う。
はい、と手渡し顔を上げると、御幸さんだった。

「あれ、高村もう終わりなの?」
「あっ、いえ、午後からまたあり、ます…。」

最後のほうは視線をズラしてしまったけれど、御幸さんと秋大ぶりに面と向かって話した。

なんだ。結構ふつうにしゃべれるじゃん。

「…なに一人でニヤニヤしてんだよ」

御幸さんにそう言われて、自分の頬が緩んでいたことに気が付く。

んじゃ行くか、ほら。と御幸さんは手を伸ばした。
　
「ここで出逢ったのも何かの縁。
　高村の休憩時間も限られてて時間ないしな」

深い意味は絶対にない。だから深く考えるな。