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昼休みを挟んだあと、やる気のあるクラスメイトは皆急いで戻った。
体育祭にやる気を持っていないのはクラスではわたしくらいか。
応援は疲れたし、午後も最後の方にしか出番がないから、とだれもいない教室で、タオルを顔からかぶり眠りにつく。
少し眠っているとき、不思議な夢を見た。
御幸さんと付き合えていて、名前を呼び合っている。
幸せな夢だったなあ…と目が覚めた。
床で寝ていたから背中が少し痛い。
ふと辺りを見回してみる。そのとき廊下に誰かの影が見えた。
そしてその影は声を発した。
もしかしたら、わたしはまだ夢の中にいるのかもしれない。夢から覚めた、夢を見ているんじゃないかとも思った。
聞き覚えのあるこの声の主は御幸さんで、目の前にあらわれた。
「なっ!!!???なんで御幸さんがここにいるんですか…」
「ちょっと逃げようと教室棟に戻ってきたら高村が寝てたからよ。」
いい夢見れたか、となんの気無しに聞いてくる。
あなたとの幸せな未来を描いた夢を見ていました…とは言えなかった。
影の伸びる方向からして、時間がそこそこ経過していたことに気が付く。
これ以上は御幸さんと話していたくないと本能が叫び、逃げるようにその場を去った。
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作者名:ゆめみるきのこ | 作成日時:2023年8月19日 14時