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同時に進めるのことは、大変だったけど、準備は着々と進んでいき、あっという間に体育祭のときになった。
割り当てられた応援席に座り、適当に応援していた。尚、やる気は皆無です。
金丸と東条くんの姿が見えて、おーがんばれーと小さく拍手をする。
競技が終わった頃、2人を激励でもしようかと応援席から離れてみる。
すると、反対側から春市と倉持先輩が歩いてきた。
「おー高村。
お前リレーなんて走れんのかよ。」
蹴りをいれたくなる気持ちをぐっと堪えたため、足に力を入れている。
「高村クラスリレーも出んの?
走ってばっかだなだな。」
後方から聞き覚えのある声がする。
振り向かなくたってわかる。
新体制になってから試合を見に行ってから、そのときに御幸さんと言葉を交わしてから、何となく会いづらかった。
「そんな嫌な顔すんなよ」
と御幸さんは眉を下げて言った。
せっかく東条くん…と金丸のところに行こうとしていたのに。
御幸さんたちと話していたら召集をかけられた。
1年生たちが終わると2年生がすぐにはじまる。
応援席に戻るともう2年生は走り終えている。
戻る途中に横目で御幸さんがみえた。
よく分からなかったけどなぜか涙が流れてきた。拭った指先が少し、濡れていた。
「……やっぱりかっこいいなあ…」
こぼれてきそうになる涙を隠すように天を仰いだ。
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作者名:ゆめみるきのこ | 作成日時:2023年8月19日 14時