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はっと、気がついたときには球場はいつもの様子で、そこら辺で話している声も騒がしい声も聞こえてくる。
言ったあと、春市は笑顔だった。
前髪が揺れて春市の大きな瞳が見えた。
赤面しているからかせっかく見えた春市の大きな瞳が、またすぐに髪の毛で隠れてしまった。
そして、赤い顔が見られないように両手で顔を覆っている。
「………春市。ありがとう。
その、すごく…うれしかった。」
連絡する…と小声で伝えた。
「やっぱりAちゃんは笑っている顔のほうがかわいいよ。」
春市と話しているうちに表情が明るくなるのを感じた。
目線は春市に向かっている。
どれくらいの時間が経ったのか分からないけれど、野球部が帰らなくてはいけない時間が迫っていたらしい。
春市が戻ってこなかったことを心配した、沢村と降谷が春市を探しに来た。
「ぬおっ高村っ…!」
わたしの姿を見て驚いた表情をみせたのは沢村。
無駄に声のでかい沢村を発した一言で、周囲からの注目をあびている。見られることは好きじゃないのに。
「帰るんじゃないの?バス、遅れるんじゃない?」
と伝えると踵を返し、球場の外へ出て、帰路へついた。
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作者名:ゆめみるきのこ | 作成日時:2023年8月19日 14時