とおくてちかい。 (ページ4)

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……とまあこんな経緯があって高校生ながら親元を離れて一人暮らしをしているわけだけど…

「たぁぁぁぁぁぁかあああああむらああああああ!!!!」

大声で叫んでわたしのところに来るのはやめてほしい。目立つから。

高校ではあまり波風を立てたくない。私立である時点で大変なのに、もっと変なところで心配をかけたくない。

あと、見た目も女子っぽくない。
かっこいい…とうっとりされてしまうほど。
だから尚更目立ちたくない。

はぁと小さくため息をつくと大声の主がやってきた。

「高村!!!オレに勉強を教えてくれ!!!!」

コイツ近くにいるのに関係なく大声で話してやがる。

「栄純くんうるさい。
　あ、高村さんこんにちは」

ひょこっと顔を出して笑顔でわたしに挨拶してきたこのピンク頭のかわいい子は小湊春市。
なんで小湊春市までいるんだろう?

「頼む高村!!!!
　赤点取って補習になんてなったらもっと降谷の野郎に置いていかれる」
「はあ…教えるのはいいけどタダでだなんて考えてねぇよな?」

とすっと手を出してみる。
出した手に自分の手を重ねてきやがった。どこまで馬鹿なんだ、コイツ。
呆れてノートを取り出すとここからここのページまでコピーしてこい、と指示すると沢村(バカ)は走っていった。