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#28 ページ28


あれから、というのはきっと告白をされた日から。

「…何も変わりはないです。
 いつもと変わらない日々を送っています。」

以前にも増して金丸と一緒に過ごしている時間が長いから、一部の女子の圧力が増した。

「そっか。
 …………お前…あー高村。もしまた練習とか試合とか見に来いよ。
 東条から帽子もらったんだろ?」

マネージャーでもなんでもないし、野球部のファンでもない。
野球が好きだということでもない。
それなのに、帽子なんて被っていったら目立って仕方がない。

「………ほんとうはもう野球部のとこには来ないって決めていたんですよ…」

来てんじゃん
と嫌味たらしそうに御幸さんが言ったのは聞き逃さなかった。

「そうですよ。えぇえぇ来てますよ。…悪いですか!?やっぱり御幸さんはかっこよくて目が離せないんですよ!?これで断ち切れれば良かったのに…魅せられてしまうし魅入ってしまうから…」

必死に涙を堪えていたけど、言い訳を紡ぐように話していたら、頬を伝う感覚があった。
戸惑うような顔をのぞかせたのがわかった。

「練習、また来いよな。」

最初には御幸さんも暗い顔をしていたけれど、最後、別れ際にはいつも通りの笑顔に戻っていた。
泣いたわたしを慰めるかのように肩に手を置いた。

御幸さんが戻ってから我慢のできなくなった涙が流れていった。
それはまるで子どもが大声をあげて涙を流すように。

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作者名:ゆめみるきのこ | 作成日時:2023年8月19日 14時

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