とおくてちかい。 (ページ23)

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。
ニヤニヤしながらこちらを見ている御幸さんに
なんてあった?
と聞かれた。

「告白されました。
　同じクラスの女子ならわたしが女なの知っているはずなのに。何なんですかね、罰ゲーム?新手の不幸の手紙?
　でも残念。わたしには好きな人がいるんですよね。」

それはあなたです、御幸さん。とは口が裂けても言えなかった。

仕方ないし、ちゃんとこの女の子にいってやろう。
わたしには好きな人がいるんだと。その人に憧れて親元を離れて青道に来たのだと。

御幸さんはどうだったんですか、って平常心を保ちながら、声が上ずらないように聞いてみた。

「俺?俺はその手紙高村に渡してくれって感じのことが書いてあったぞ。
　あとついでに別な字体で呼び出しされてる。
　一応行くつもりだけど、お前も一緒にいくか、高村。」

そんな風に聞かれたら行きませんなんて言えない。
御幸さんの背中を追いかけて一緒に屋上に向かう。

この人の背中を追ったのはいつぶりだろう。
いや、ずっと追っている。
この人に憧れてすこしでも傍にいたくてそれでここまで来たんだ。