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もう野球部なんて行かない、と勝手に一人で宣言して校舎内に入ろうとしたときだった。
そのときには会いたくなかった人と、バッタリ鉢合わせてしまった。

はあ…とちいさなため息。

「…なんだ。オレに会うのがそんなに嫌だったか。悪かったな、御幸じゃなくて。」
「いえいえ、全然そんなことはないですよ。
 よく考えてもみてくださいよ、倉持先輩。その人のためだけに来ているのとか嫌でしょ?だから行きたくなかったんです。」

必死に言い訳を探して紡いだ。

「そういえば倉持先輩。
 ひとつお聞きしたいことがあるのですが、わたしが髪長いのってどう思いますか?」
「お前のロング?
 ヒャハッ考えただけでもぞわっとすんな。
 ショートでいたほうが見つけやすくて構いやすいとオレは思うぞ。」

春市にも違和感あるかもって言われたし倉持先輩にはぞわっとする、か…。

……いやまてよ?なんで髪の毛の件に関してこんなにいろんな人からとやかく言われなきゃなの!?

男子の意見はこの際とても大事だろう。重要だろうとも思う。
でも、人にとやかくいわれて、決められるなんて、そんなのはおかしい。今どき家来でも自分の意志で決められるというのに。

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作者名:ゆめみるきのこ | 作成日時:2023年8月19日 14時

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