とおくてちかい。 (ページ19)

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ガチャと部屋の扉が空いた音がした。
入ってきたのはここの部屋の人(沢村と先輩)、心配してくれている金丸と東条くん。……と誰だか分かんないけど、春市のようにピンク頭の人と強面のヒゲの人。この2人はからかいたいだけらしい。

入ってきてくれたおかげで、先程までの居心地の悪さと倉持先輩の睨みから解放された。

あまり広くないくせにこんなに大人数…。
何もいいはしないけど、こちらをじっと見ている。
倉持先輩が居たときとはまた別の威圧感。
無言のプレッシャーに耐えられなかったわたしは逃げるように立ち去った。

出て帰ろうとしたときだった。
ばったりと御幸さんに会ってしまったのは。

「あ…その…今日はお疲れさまでした。それじゃ。」

何か言わなきゃいけないという思いと、逃げたいという思いでそっけない感じになってしまったが、そもそも学年が違うから学校内では早々会わないだろう。

そう感じ、そのまま帰ろうとした。

御幸さんは腕を掴むと「帰るんならそっちじゃねーよ。」と教えてくれた。

「そういえばさ、雑誌もボロボロになるまで読んでたんだろ?そんな大事に持ってるなんて、どんなやつだろう、って単純な興味。」

話している間、出口まで案内してくれた。