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「高村さん!」

そうやって来たのは東条くん。少し遠目だったけれど、東条くんのその顔は輝いて見えた。

「どうしたの?きっちり制服まで着て。」

東条くんにも同じように説明した。

「ははは。しっかりしてそうに見えるのに高村さんってどこか抜けてるよね。」
「そりゃどーも。
 てか東条くん練習戻らなくていいの?」
「あ、午前練はこれで終わりなんだ。」

まだやるんだ。さすが野球部すごい。
なんて変なところで感心していると小湊春市の姿を見つけた。

「高村さんこんにちは。
 練習見に来たの?あと、この前はありがとう。名前呼んでくれて。春市でいいんだよ?」
「そう。じゃあ春市って言うね。
 わたしのこともAでもなんでも好きなように呼んで」

東条くんと春市とさっき出逢ったクラスメイトの女子たちと話していると、視線の先にこの前雑誌を渡してくれた人をみつけ、春市に聞いてみる。

なるほど。倉持先輩とおっしゃるのか。
背負っていたカバンをその場に置き、倉持先輩の元へと急ぐ。

「…倉持先輩。この前はありがとうございました。」
「ヒャハ。
 お前あの時球場で迷子になってたやつか!?それで大事そうに御幸の記事読んでいたよな?」

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作者名:ゆめみるきのこ | 作成日時:2023年8月19日 14時

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