アナベルの紫陽花 (ページ21)

今日:11 hit、昨日:2 hit、合計:11,397 hit

。▷5度目の春ページ21

。
ときは流れ社会人5年目の春。

大卒で入ってくる新入社員とは年齢が同じになる。

21歳になる年には3年目を迎えていたが、異動はなかった。

今の部署には5年目となった。
阿部さんは、翔太さんとトレードするように翔太さんの部署に異動となった。

深澤さんは同じ部署にいるが、係は違う。
深澤さんは役職がついた。

新入社員が配属され、わたしはまた教育係に任命された。

同じ部署に配属されたのは2人。

一人は大学を卒業したばかりの同い年の人。
もう一人は転職をしたという人。

わたしは同い年の人―――目黒蓮さん―――を担当する。

「目黒さん」

仕事をはじめて数週間。
目黒さんに任せたい仕事があるのに、タイピングもあまり早くない。

「教えるの下手ですみません。
　続けいけそうですか?」
「深水さんは悪くないっすよ。ありがとうございます。
　続けていけますよ。」

ふっ、と笑った目黒さんの姿をみて、少しだけドキドキした。

目黒さんはどうしてこんなに造形が整っているのだろうか。