連絡先 ページ5
授業が終わり、放課後に。
鞄の整理を終えて、
自分の席から離れようとすると不意に自分に影がかかった。
見あげれば、クラスメイトの男子が私の前に立っていた。
首を傾げつつ、手帳を取り出して会話の準備をした。
確か、バスケ部の部員だったような。
部費の交渉とか...かな？と思っていたら、男子は自分の首の後ろを掻きながら苦笑して口を開いた。
「あー......俺さ、四宮先輩の連絡先が欲しくて」
あ_______そういうこと。
こういうことは、割と少なくない。
私は妹であり、人当たりも四宮家に悪印象を与えないよう良く接しているから、こういった"お願い"はよくあることだった。
サラサラ、と手帳にペンを走らせる。
「ごめんなさい。姉様の連絡先は教えられません、プライバシーの侵害に繋がりかねないので...」
それを見た彼が「まあそうだよねぇ」と言い、気付かなかったが数歩後ろにたむろっていた男子数名も「ちぇ〜だめなのかぁ」と残念そうに声を上げる。
「あっ、じゃあさ！四宮さんのだったらどう？」
______え。
後ろにいた男子が閃いたように手を挙げ、他の男子もそれに「あ、確かに！」と嬉々とした目で私を見た。
まさか自分に興味が向くと思っていなかったから、焦ってしまいどう返せばいいか戸惑う。
四宮家の教訓では、簡単に連絡先を教えたりはできない。が、ここで断って、また姉様の連絡先を狙われては困る......。
......どうしよう。教えるだけ教えて.....でも、悪用されては困るし、変な友好関係を築くのは望ましくない......。
「やめてあげたら？」
ぴく、と反応して振り返る。
めんどくさそうに首にかけたヘッドフォンをいじる生徒会会計___石上優。彼の声だった。
少し大きめの声で発せられた制止の声は、
周りの女子達に届き、「男子ひどーい」「チャラいのやだよね〜」と批判の声を集めた。
石上くんは声を出してすぐにふいっとどこかを向いたため、誰が最初の声を発したのかは女子達に勘づかれていなかった。
自分の批評を知っての対策だろう。
声を聞き慣れている私だけ、彼が発したことに気付いていた。
男子達はバツが悪そうに立ち去り、私は鞄を持って帰ろうとする石上くんを慌てて追いかけた。
走りながら手帳を数ページめくる。
ぱし、と石上くんの袖を掴んで「ありがとうございます」と書かれたページを見せた。
石上くんは呆れた顔で私を見て「ほんっとにトロイですね」と言った。
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革ベルト
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りな - 完結しちゃったんですか…！？続き…待ってます…😢 (2021年12月30日 23時) (
レス) @page33 id: eb1e650017 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 完結してしまった、もしかしてもう更新しませんか？続きすごい気になります！更新頑張ってください！！ (2021年1月19日 20時) (レス) id: 62527af0b0 (このIDを非表示/違反報告)
小町(プロフ) - 完結してしまった…！？とても続きが気になります！！ (2021年1月2日 0時) (レス) id: bd1a04dc1b (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - 完結なんですか？続きが気になります (2020年7月29日 23時) (レス) id: eedc890ee9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)太中大好き人間(プロフ) - 自分はいらない子なんじゃないのか、という気持ちがすごく分かります！この作品好きになりました！これからも頑張ってください！ (2020年7月4日 0時) (レス) id: 5bc9e3e078 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Re: x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2019年3月31日 19時
