16 ページ23
.
はぁはぁ…どうしよう、誰か…誰か……
直ぐに終わるからと言われても、相手がバットやメリケンサックを指にはめているのを見てしまってはじっと待っている事なんて到底出来なかった。
警察に電話…したら、龍宮寺君も捕まる?
どうしよう、どうしようとあれやこれやと試行錯誤を繰り返す。
そして、携帯を耳に当て、連絡したのは垂れ目の彼だった。
『もしもし!三ツ谷君…!』
"Aちゃん?どーした?"
『龍宮寺君が……!』
と、必死の声で彼の名前を言えばそれだけで察知した三ツ谷君は、今どこ?と声色を変えて聞いてくる。
15分で着くと言われたものの、ただ待っている事など出来なかった私は何かないか何かないかと右往左往。
『おじさん!これ、貸して下さい…!』
火事か!?と、聞かれたが喧嘩に使います!なんて言える訳もなく、後で弁償します!と、答えになっていない返事をした。
浴衣姿で消火器持って走り回ってる女は目立つかな…と、心配もあったが夏祭りに夢中のカップル達は私なんかに目もくれない。
龍宮寺君が連れて行かれた先には駐車場があったはず…こっち!と、人の少ない方へ向かった時に、私の名前を呼ぶ声がした。
『三ツ谷君…!』
「スゲェ、何持ってんの」
『だって、龍宮寺君が……』
「ドラケンなら心配いらねーよ、アイツ馬鹿強ぇし、マイキーも向かったからな」
とりあえず落ち着いて…と、焦る私を落ち着かせ、抱えていた消火器を受け取って、私の隣を歩きながら駐車場へ向かう。
着いた先で見たのはバットやメリケンサックを持ってた人達が倒れていて、側で笑って話す龍宮寺君とマイキー君。
「タイマン張る勇気ない奴等が俺とケンチンに勝てる訳ないじゃん」
「マイキー、まだまだ訛ってねぇな」
「ん?おーい、三ツ谷ー」
こちらに気付いたマイキー君の言葉に龍宮寺君が振り向いて、私を見つけてしかめっ面。
「てめぇ…待ってろっつったじゃねぇかって、三ツ谷、何持ってんだよ」
どっかで火事?と、2人して三ツ谷君の持つ消火器を見つめる。
笑う三ツ谷君に、いたたまれない気持ちになった私は龍宮寺君に加勢する為に屋台のおじさんに消火器を借りた事を説明した。
その後に返ってきたのは盛大な笑い声。
こっちは必死で抱えて走っていたのに…!と、乱れてしまった浴衣を整えながら文句を言った。
.
339人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きりまる(プロフ) - 月代皨さん» わぁ〜!そんな風に言って頂けて嬉しいの極みです…(´;ω;`)ありがとうございます!半間氏の小説もありがとうございます……!ゆっくり更新ですが頑張りますっっ!!! (2021年10月29日 20時) (レス) id: 684e8f5b6d (このIDを非表示/違反報告)
月代皨(プロフ) - よ更新待ってよかった〜!!とても素敵な作品でした!半間の小説も拝読させて頂きます……!これからも頑張ってください! (2021年10月29日 12時) (レス) @page42 id: b8769a82e7 (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - ゆさんさん» 初めまして(*´∀`*)コメントありがとうございます!嬉しいです!もうすぐ続きを更新できそうですのでお待ち頂けると幸いです\(^o^)/ (2021年9月14日 23時) (レス) id: 684e8f5b6d (このIDを非表示/違反報告)
ゆさん(プロフ) - はじめまして!ドラケンかっこよすぎます!続き楽しみにしてますね!更新頑張って下さいヽ(●´∀`●)ノ (2021年9月14日 10時) (レス) id: 362f4d269d (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - あけりさん» そんな風に言って頂けるとめちゃくちゃ嬉しいです(´▽`*)ゆっくりペースですが、カッコいいドラケンを書けるように頑張ります!宜しくお願い致します(^ー^) (2021年9月1日 0時) (レス) id: a5f16a2551 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きりまる | 作成日時:2021年8月19日 21時