7 ページ7
.
日曜日、唯一昼から部活が休みの日。
友人を誘ってやってきた、色んなショップが入ったモール。
フワフワの可愛い部屋着、新作コスメを買う予定が体は勝手にスポーツショップへ。
ヒールのパンプスじゃなくて、新しいテニスシューズ。
可愛いバッグじゃなくて、新しいラケット。
こんなんだから私等ダメなんだろうね…って言いながら、友人とフードコートへ。
日曜日だから家族連れやカップルでいっぱいのソコに2人で溜め息を溢し、ドリンクだけ注文してもう一度モールの中をプラプラする事になった。
そこで目に入ったのがお洒落な花屋さん。
季節の花や、ドライフラワーのリース、ちょっとした雑貨なども置いてあったそこに、何故だか興味の湧いた私は吸い寄せられるように入って行った。
「何かお探しですか?」
『あ、いえ……すいません、見てるだけなんです』
「大丈夫ですよ、どうぞごゆっくり」
ニコッと笑った店員さんが向かった奥の部屋。
そこには鉢植えの花がたくさん置かれていた。
『蘭……』
真っ白の綺麗な胡蝶蘭。
そして、隅に置かれた桃色の胡蝶蘭。
『白くない!』
「ん?あー、ファレノプシスって品種ですよ」
『胡蝶蘭って白だけだと思ってました…』
「たくさん品種があるんですよ、花言葉だって全部違うんです」
『花言葉…?』
最もポピュラーな花言葉が「幸福が飛んでくる」
ウェディングブーケに使われるものは「清純」
そして、桃色の胡蝶蘭は「あなたを愛しています」
そう丁寧に教えてくれる、店員さん。
『全然違う……』
「え?」
『あ、いや…蘭って名前の友達が居るんですけど…』
喧嘩って聞くと飛んで行くような奴で、清純とは正反対のような奴で……
『あなたを愛しています、なんて言ったら嫌われそう……』
好きなんだね、って店員さんに言われて、初対面の人に何話してんだ!って顔が真っ赤になった。
.
167人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
尾熊乃碧 - ハラハラドキドキ、面白かったです。 (2022年6月4日 9時) (レス) @page26 id: 9bf86ec6ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きりまる | 作成日時:2022年1月19日 23時