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『で?』

「あ"?」

『やっ、失恋話!』

「あ〜忘れてたわ」



あの店員可愛くね?とか頬杖つきながら言ってくる蘭。
あそこの席のオンナ、どっちが好み?とか聞いてくる蘭。

好み以前に、私は女だバカ野郎。

それでも私とのこんな軽いやり取りを蘭が好きな事を知ってる私は平然を装う。



『んー、強いて言えば髪の毛ストレートの方だな』

「あ、マジ?オレ、緩パーマ」

『何で?』



色っぽいだとか唆られるだとか、色気の塊のオネエさん最高〜とか言う蘭に苛立ったけど、私の脳内にある"蘭ちゃんメモ"にしっかり緩パーマが好き、とインプットした。



「とりあえず注文しよーぜ、蘭ちゃん、失恋して腹減った」

『自分で蘭ちゃん言うなし、すいませーん』



店員さんを呼んで注文。
好きな人の前で食べる物っていったらスパゲティーが妥当だろうか。
でも、部活終わりの空腹をスパゲティーが満たしてくれる訳はない。



『チーズinハンバーグ120グラム、ライス大盛り、フライドポテト、あっ、ドリンクバー…蘭もいるよね?ドリンクバー2つで、シーザーサラダ……ピザも食べたいなー、蘭は?何にする?』

「………Aの好きなピザ注文しろよ、オレそれ摘むだけで充分〜」



ドリンク取ってくる…と言う蘭に、私の分も!とお願いすれば右手を上げてヒラヒラ。
注文を繰り返す店員さんや、どっちが好み?とか言ってたオネエさん達はクスクスと笑いを堪えるのに必死な様子。

自分のした注文を聞き返し、めちゃくちゃ恥ずかしくなって取り消そうかと思った時に、コトンと目の前に置かれるオレンジジュース。
体を冷やしちゃいけないからと、いつも氷を入れない私用の氷なしのオレンジジュース。



「スポーツマンはしっかり食えよ」



遠慮すんな、と座るついでに頭をポン。



そういうとこ、好きだよ。





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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷蘭 , 灰谷兄弟   
作品ジャンル:恋愛
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尾熊乃碧 - ハラハラドキドキ、面白かったです。 (2022年6月4日 9時) (レス) @page26 id: 9bf86ec6ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きりまる | 作成日時:2022年1月19日 23時

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