君に花言葉《灰谷蘭》 (ページ15)

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14.side ran ページ15

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「おにぃ〜さん、今ちょっと時間ある？あるよなァ？」

振り向いたソイツの第一印象は、"文武両道"。
ま、会うのは2回目だけど。
勉強できてスポーツ推薦で学校行って、モテまくりのスクールライフ。
最高じゃん？

「君は……」

君とか言っちゃう？
うっざ。

「Aの彼氏？アイツ、結構胸デカいだろ〜？毎日ヤ.ッてんの？」

「は…？」

特定の女を作る気なんてナイ。
女なんてちょっと声かければホイホイ付いて来て簡単に股開くような奴らばっか。
突っ込んで腰振って出してスッキリしたら、さようなら。
連絡先は相性が良ければ交換して、2度目も有り。

竜胆のオンナには今までにない感情を持った。
これが本気ってやつか？って気付いた時には失恋してて、電話した奴は幼馴染みのA。

Aがオレに気があるのは知っていた。
知らないフリしてアイツの前でオンナと電話をしていれば、機嫌が悪くなるA。
分かりやすく頬を膨らませて、泣きそうになるAには、好きだとかそんな安っぽい感情じゃ足りない物を感じてた。

当たり前のようにオレの側にいて、オレだけを見てるA。
好き……っつーか、何だろな〜？

Aを閉じ込めたら最後、絶対離してやれなくなる。
アイツが頑張ってるのも見てるし、幼馴染みとして応援してェって思うのも事実。

でもな？
オレ以外の男の前で笑ってんじゃねェぞ？

蘭ちゃん、心広くねェのよ。

「君、この間、Aと一緒に居た奴だろ？」

「Aはオレ無しじゃ生きていけねェからな〜？」

こんな奴と遊んでんなよ？

鈍い音が響いたのはその後。
ゴキッて変な音がした後に、グゥッ！って歯を食いしばるような声。
骨を折るのは竜胆の十八番だっつーのにな。

「Aに近付くんじゃねぇぞ？」

「何なんだよ、お前ッ……クソッ…！」

クソはテメェだろ？

『あ！蘭！電話したのに！また喧嘩？』

家の外で素振りの練習をするA。
いつもみたいに返り血の付いたオレの頬を拭って、次に言うのは…

『怪我してない？』

する訳ねぇし。

「A〜」

『んー？』

「オレの事好き？」

そう聞けば顔を真っ赤にさせて、否定するけど最後にか細く"好き…"っつって。

「オレのもんになる？」

目をキラキラさせながら、首を縦に振って涙を流す。

あんな奴にはやらねぇよ？

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