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楽しい時間とは直ぐに過ぎていくもの。
体育祭もあっという間に終わってしまい、体育祭後の疲れた体で片付けをする。
学生は勿論だが、教員であるAも同様だった。
『その机はこっちに下さーい』
大勢の学生が行き来する倉庫で杏寿郎の姿を見かけたA。
借り物競争で彼に抱き付いてしまった事、強く握られた右手を見て恥ずかしくなった。
しかし、何より嬉しかったのは”一番綺麗な女性”で杏寿郎が自分を選んでくれた事だった。
「あれ、Aちゃん、顔赤いよ大丈夫？」
机を運んで来た生徒に言われ、Aは疲れただけだ、と慌てて答える。
自分は生徒相手にどんな気持ちを抱いているんだ、と頭を振る。
振っても振っても、頭から離れない杏寿郎の事と手に残る感触。
「A先生！」
この一際大きな声の持ち主は顔を見ずとも誰だか分かるようになってしまった。
『煉獄くん…』
「今日は無理をさせてしまい、すまなかった」
『ううん』
もっと気の利いた言葉を…と思うものの、先の言葉が出てこず、真っ直ぐ自分を見つめる炎のような熱い煉獄から目が離せなくなった。
「どうかしたか？」
『やっ、何でもないよ！あっ、ほら、呼ばれてるよ！』
煉獄を呼ぶ、か細い声は2年生の女子。
その場から去りながら、後ろから聞こえてくる声に耳を傾けてしまう。
「煉獄先輩が好きです…」
あぁ、やっぱりそうか。
自分にも憧れの先輩に告白した経験があったAは、少女の少し赤らめた顔を見ただけで分かっていた。
告白を聞きながら、淋しい気持ちになる。
「すまん、好きな人がいるんだ」
そう聞こえてきた、杏寿郎の言葉にAは先程の淋しさに加えて、チリチリと胸が痛んだ。
その胸の痛みに、抱いてしまった邪な気持ちを気付かされる。
(生徒に恋なんて…ダメだダメだ！)
自分は教師、杏寿郎は生徒なんだと言い聞かせながら、職員室へ向かった。
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きりまる(プロフ) - 光華さん» コメントありがとうございます(T-T)めちゃくちゃ嬉しいです！他も読んで下さってるんですね！ありがとうございます(T-T)こちら、これからチロチロ短編でアップしていきますので、宜しくお願い致します♪ (2020年6月2日 7時) (
レス) id: a5f16a2551 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 最高です！初めてこの作品が更新された時からずっと読んでました！！他の作品も楽しみに読ませていただいてます！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりまる | 作成日時：2020年5月23日 0時
