猫の初恋《五条悟》

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お風呂上がり、薄着で濡れた髪の毛を乾かすA。
ドライヤーの風を浴びる彼女を見ていれば、僕の視線に気付いたのか、僕にドライヤーの風を向けてきた。



『さとるくんもお風呂しないとね』

「ニャッ！(No！)」

『今度の休みにシャンプーしよっか』



それって全身触られるって事でしょ？
流石に遠慮したいんだけど。



『あっ、そういえば……コレって写真入ってるやつだよね？』



そう言ってAが手に取ったのはチェストの上のロケットネックレス。
あの中の満月の写真を見てしまったら、僕は人間の姿に戻ってしまう。
これってちょっとヤバイ状況だよね？

そう思った僕はAに飛びついてネックレスを奪う事にした。



『え、ちょっ！わッ！さとるくん！あぶな……ッ！！』



ドサッと音を立ててベッドに倒れ込むA。
胸の上には開かれたロケットネックレス。
そして、Aに飛び付いた僕の目に入ってしまった満月。



『いったぁ〜……さとるくん、急にどうし…………………………は？』

「やっ♡」

『……………誰？てゆか、さとるくんは！？は？裸って……変質者！？何処から入って…！さとるくん！？さとるくん！誰か……』

「ゴメン、説明するからちょっと静かにしてね？」

『んン！？ン"ーーー！！！』



いきなり目の前に、しかも素っ裸の男に馬乗りにされてたら焦るだろうけど、騒がれたら困るからちょっと口を塞がせてもらう。
でも、猫のさとるくんの心配を忘れないAに、僕は増々興味が湧いた。

《愛する人に愛される事》で解ける呪い。

彼女みたいな人に、僕は愛されたいと思った。





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