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僕が買って来た甘いケーキを食べながらAが昔話をしてくれた。
5歳くらいだった頃に飼っていた、猫。
僕みたいに整った見た目の子じゃなくて、飼っていたと言うよりも野良猫が住み着いた感じだったらしい。
Aの部屋で見つけた、ボロボロになった猫じゃらしはきっとソイツの物だったんだろう。
『さとるくんみたいに人慣れしてない子で、ご飯食べてる時に触って引っ掻かれちゃって……それで……』
嫌い!
たくさんお世話してるのに!
大嫌い!
『そしたら、扉の隙間から逃げちゃって、それっきり』
「なるほど、それで僕が居なくなったと思って探してくれたんだ?」
またその猫を思い出しているのか、Aは目に涙を溜めていた。
夜中に泣いていたのも、ソイツが原因かなって思うと、ちょっと妬ける。
「今日は一緒に寝ようか」
『………さとるくんになってくれるなら』
「仕方ないなぁ…でも、Aには僕の事も見て欲しいかな」
食べかけのケーキを一口掬って、Aの口にいれてあげると、甘すぎたのだろうか、凄い顔で僕を見てきた。
「今は猫でいてあげるけど、僕、本気だから覚悟しといて」
そう言って、また僕は猫の姿に戻った。
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きりまる(プロフ) - YUIさん» コメントありがとうございます(*˘︶˘*).。.:*♡完結目指して頑張りますので宜しくお願い致します! (10月10日 21時) (レス) id: 65bdf03365 (このIDを非表示/違反報告)
YUI - 猫の五条さん、可愛いですね!更新楽しみにしてま✨✨ (10月8日 20時) (レス) @page1 id: 55f2ea0d21 (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - 名無し25328号さん» 新作お待たせ致しました(*˘︶˘*).。.:*♡完結目指して頑張りますので宜しくお願い致します♪ (10月6日 23時) (レス) id: 65bdf03365 (このIDを非表示/違反報告)
名無し25328号(プロフ) - 新作おめでとうございます!楽しみにしてました! (10月6日 22時) (レス) @page1 id: a335c2c808 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりまる | 作成日時:2023年10月6日 19時