猫の初恋《五条悟》

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先日、厄介なモノを拾ってしまった。

猫だと思っていたソレは実は人間で、子供の頃に怪物に呪いをかけられて満月を見る度に姿が変わってしまうらしい。
呪いを解く方法は《運命のキス》とか怪しい事を言った彼の名前は、五条悟という。
話だけ聞いたら夢の国の素敵なお話だけど、彼は野獣じゃなくて、めちゃくちゃ綺麗な男の人だった。



『ただいまー』



仕事から戻ると、五条悟は猫のさとるくんの姿で出迎えてくれる。
めちゃくちゃ可愛いさとるくんに私は心臓を鷲掴みにされているのだけど……



『さとるくん？おーい、さとるくん？此処かな？』



今日は居なかった。

昼は任務が…って五条悟が言っていたけど、それで居ないのだろうか。
だったら終われば帰ってくる？
帰ってこなかったら……また、酷い怪我をしてしまっていたら……。



『まぁ、まだ18時だもんね…』



心配しすぎだ、と自分に言い聞かせて夕食の準備に取り掛かったのだけど、待てど暮らせど帰ってこなかった。



子供の頃に猫を飼っていた事がある。
自分の不注意で逃がしてしまったその子の行方はどれだけ探しても見つからなかった。

嫌な思い出が蘇る。



時刻は21時。
私は家の鍵とスマホを持って、さとるくんを探しに向かった。





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