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まだ無下限の術式も、六眼でさえも使うのに一苦労していた時代。
どうやって入ったのか、五条の屋敷に巣食ってた野良猫。
身体は酷く痩せ細り、片目は傷を負って、尻尾も千切れたような可哀想な見た目のソイツ。
近寄るな、と言われていたのに、遊び相手が欲しかった無邪気な僕はソイツに近付いた。
「お前、1人なんだろ?俺も1人だから仲良くしよーぜ」
今思えば、僕はマセた子供だった。
そして、気付く。
コイツは触れてはいけない奴だった、と。
「大変です!御当主様!悟坊っちゃんが…!」
慌ただしく駆け回る使用人。
彼等に抱かれていたのだろう、僕の視界は右に左に、上に下にと揺れ動き、脳が揺れた。
廊下は静かに歩けって習わなかったのかよ。
父親が居座る部屋に通された僕。
対面して座るように用意された座布団。
いつものようにそこへ座った。
「何と言う事だ…次期当主ともあろう者が……」
その時に感じた事。
父親も、使用人も、やたらデカイ。
「ニャー」
父親の部屋に猫の声が響いた。
姿は見えないけど。
何処に隠れているのかと、キョロキョロと辺りを見渡した時に自分の真横に真っ白に輝く毛玉が見えた。
何だ、俺の隣に居たのかよ。
触れようとした時に気付く、身体の異変。
伸ばした筈の手は、真横に見えた毛玉と同様に真っ白だった。
「ニャ?」
床の間に飾られた壺に微かに写った姿。
「おそらく、化け猫の呪いかと…」
「探せ!一刻も早く解呪方法を探せ!」
その時、僕は思ったよ。
僕って猫になっても、めちゃくちゃ可愛いじゃんって♡
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きりまる(プロフ) - YUIさん» コメントありがとうございます(*˘︶˘*).。.:*♡完結目指して頑張りますので宜しくお願い致します! (10月10日 21時) (レス) id: 65bdf03365 (このIDを非表示/違反報告)
YUI - 猫の五条さん、可愛いですね!更新楽しみにしてま✨✨ (10月8日 20時) (レス) @page1 id: 55f2ea0d21 (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - 名無し25328号さん» 新作お待たせ致しました(*˘︶˘*).。.:*♡完結目指して頑張りますので宜しくお願い致します♪ (10月6日 23時) (レス) id: 65bdf03365 (このIDを非表示/違反報告)
名無し25328号(プロフ) - 新作おめでとうございます!楽しみにしてました! (10月6日 22時) (レス) @page1 id: a335c2c808 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりまる | 作成日時:2023年10月6日 19時