ストロベリースカッシュ《三ツ谷隆》

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「Aさん、その服めっちゃ可愛いね、どこで買ったの？」



大学三年。

あれから三年経った今、私は女子大学生とやらを満喫している。
大学のサークル活動で今も走っているけれど、そちらへの道はずっと前に諦めた。

経営学

まさか私がそんな道に進むなんて想像もしてなかったけど、三ツ谷が将来はブランドを立ち上げて店を出したいって言うから、勉強してても良いかなーなんて。



「Aの服は彼氏の手作りだよね〜」



そんな私と同じ大学に進学した、中学からの友人。
試作品だと言って三ツ谷が作ってくれる服を、友人はまるで自分の事のように自慢する。



「えっ、Aさんの彼氏が作ったの！？」



驚いて当たり前な服の出来は、あのワンピースと比べても歴然としていた。
今でも私の部屋のクローゼットにかかってて時折三ツ谷と出掛ける時に着たりするけれど、その度に三ツ谷は恥ずかしいだの作り直すだの言っている。



『デザイナーの卵？ってゆーのかな、毎日服ばっかり作ってる』



専門学校を卒業した三ツ谷は働きながら自分のデザインした服を作ってコンテストや直接売り込みに行ったりと大忙し。
それでも試験や出席日数がどうのと文句ばかりの私の話を聞いてくれて。

相変わらず、優しすぎる。



「今日、三ツ谷くん迎えに来るんじゃなかった？」

『え、あ！ホントだ！』



デザイナーの彼氏見たい！とか、カッコイイ車乗ってそう！とか。
三ツ谷を知らない大学からの友人が言う。
でも、カッコイイ車には乗ってません。

そんな時、ヴォンヴォン！と大学の近くでバイクのエンジン音が響いた。
その音を聞くだけで口角が上がる。



『来たみたいだから先に行くね』



バイバイ、と手を振って門に向かって駆け出した。







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