ストロベリースカッシュ《三ツ谷隆》

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次の日、三ツ谷は何かに付けて私に話しかけようとしてきた。
でも、昨日の事をまだ根に持っていた私は有る事無い事理由をつけてはぐらかし、三ツ谷と話をしなかった。

次の日も三ツ谷は話かけてきた。
その次の日も話しかけてきたけど、素直になれない子供な私は三ツ谷を拒否してしまう。



「三ツ谷君と何かあった？」



心配した友人が間に入ってくれようとしたけど、何もないよーって苦笑いで返事して。
気付いた頃には、三ツ谷が声をかけてくる事はなくなって、私と三ツ谷が別れたとかって噂が広まっていた。



『てゆか、付き合ってないし、あんなヤツ』

「三ツ谷君、今めちゃくちゃ人気あるからね？」

『は？三ツ谷が？』

「Aと公認みたいに言われてたけど、そうじゃないならーって子が大勢居たっぽいよ？」



そう言った友人が指さした方は中庭で、ぺーやんやクラスの男子達と戯れている三ツ谷の姿があった。

そして、それを見守る女子達。
差し入れで手作りクッキーを渡す子もいる、といった具合だ。



『絶対、三ツ谷が作ったクッキーの方が美味しい』

「何で素直に好きって認めないかなー」

『誰が？誰を？』

「Aが！三ツ谷君を！」



私が三ツ谷を？

確かにアイツの事は好きか嫌いで言えば好きだけど、前にも言ったが彼氏にするには勿体無い…そんな気の許せる男友達だ。



『好きな訳ないじゃん……』



ザワつく心臓。

以前、三ツ谷に勝手にキスされた頬に触れながら、呪文を唱えるように呟いた。







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