六本木シンデレラ《灰谷兄弟》

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"明日話したい事あっから、放課後、クレープ食いに行こうぜ"



竜胆から送られていたメール。
それを見て、涙が溢れた。



竜胆に辛い言葉を言われてから、放心状態になってしまった私に優しくしてくれたのは蘭だった。



「ヒデェなー？あんな事言うヤツ放っといて蘭ちゃんと遊ぼうな♡」



子供をあやすように優しく、頭をポンポンと撫でてくれた。
帰りたい、と言う私を仕方ねェなぁと言いながらバイクに乗せて送り届けてくれる。



『ありがとうございました…』



お礼を言って去ろうとする私の手を掴み、バイクに凭れる彼の胸の中に閉じ込められる。



「オレ、マジだからな？」

『少し…時間を下さい』

「魔法は長く続かねェよ？」

『え……』

「オレ、あんま気ィ長くねーから早くな？」



じゃあな、と言って長い三編みを揺らして去っていく彼。



家に入れば、おかえり、と迎えてくれた母の声で力が抜けてへたり込んでしまった。
ボーッとしながらも鞄の中でメールの受信を知らせる光が点滅しているのに気が付いた。

そして、竜胆から送られていたメールを見て涙を流す私に母が驚きの言葉を告げる。



「さっきの灰谷蘭くんでしょ？この間は竜胆くんに送ってもらってたわね」

『……何で知ってるの……？』

「あら、引っ越しする前、一緒の幼稚園だったでしょ」



2人共変わったけど面影がある、と言った母の言葉に消えていた記憶が蘇った。






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