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学校へ着いて、自分の席で読み掛けの文庫本を取り出す。
朝早い時間は誰も居ないから、読書に集中出来て良い。
外から聞こえる運動部の声は心地良いBGMでよりいっそう集中できた。
でも、それも30分程で終わり。
ガヤガヤと賑やかになってくる廊下、教室。
前も見ずに歩く生徒が私の席にぶつかった。
その拍子で散らばった筆記用具。
気にもせず歩くスカートの短い下品な女子生徒に踏まれたシャーペンは、飾りの部分がベキっと折れてしまった。
「あっ、ゴメンね〜、気付かなかった〜」
ゴメンと思うなら、その太い足を退けて欲しい。
割れた破片、散らばった他のシャーペンを集めながら本音じゃなくて「大丈夫」と返事した。
「え、てゆーか、誰?こんな地味な子いた?」
「知らな〜い」
下品な話し声が耳について煩い。
あー、シンデレラってお義姉さんに虐められながらこんな事を考えていたのかな。
「はよ…これもお前のだろ?」
『え……』
無骨な手が、シャーペンを拾う私の前に現れる。
その手に持たれたシャーペンは確かに私の物で、「ありがとうございます…」と受け取った。
「何で敬語?」
『え…?』
「同い年じゃねーか」
『あ、すいま……「なーにしてんだー?竜胆」
「兄貴」
"竜胆"、と呼ばれた男子生徒とその彼に"兄貴"、と呼ばれた男子生徒。
2人とも私とはおおよそ関わり合わないであろう、派手な見た目の学生だ。
と、言うか……滅多に学校に来ない2人が何故……
「おはよー、Aさん」
床にしゃがみ込む私を覗き込んだ"兄貴"は、長い三編みがゆらゆら揺れて、私と同じ目線でしゃがみ込んでシャーペンを拾う"竜胆"はかけてる眼鏡が少しズレていた。
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きりまる(プロフ) - 推しが尊いお米さん» ありがとうございますー!!最初は蘭ちゃん落ちだったのですが…(笑)蘭ちゃんのお話も頑張ります!また、宜しくお願い致します(*^^*) (2021年12月1日 23時) (レス) id: 684e8f5b6d (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊いお米 - 見ました!!!竜ちゃん落ちあんまりない(気がする)から嬉しいです。私も蘭ちゃんにも幸せになってほしいし、他の作品ももっと見たいです!! (2021年12月1日 23時) (レス) @page28 id: 11fe216a38 (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - 推しが尊いお米さん» はじめまして(*^^*)コメントありがとうございます!!更新遅くてすいません〜(汗)ラストまでアップしましたので、宜しければご覧下さい……!応援ありがとうございます………!! (2021年12月1日 19時) (レス) id: 684e8f5b6d (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊いお米 - 続きが気になりすぎます!!!!これからも応援してます。更新楽しみにしてます! (2021年12月1日 18時) (レス) @page24 id: 11fe216a38 (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - HSさん» はじめまして(*^^*)コメントありがとうございます!もうすぐ完結予定です♪ (2021年11月30日 21時) (レス) id: 684e8f5b6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりまる | 作成日時:2021年11月16日 20時