想い出 ページ7
とある日、部屋を整理していると高専時代のノートが出てきた。
『懐かしいなぁ...。』
七海「何を見ているんですか?」
『七海さん!私の高専時代のノートが出てきたんです。』
七海「やはりAさんはまめですね。」
『この時は、着いていくので精一杯だったんです。だから必死にメモを取ってたんでしょうね。』
七海「そういえば、Aさんから電話が来たことがありましたね。」
『あれですね、お恥ずかしいですが...。』
七海「私は頼られている感じがして嬉しかったですよ。」
私が高専で周りに置いていかれながら呪術を学んでいた頃、どうにも辛くなって七海さんに電話で泣きついたことがあった。
その時の七海さんは会社勤めで、私の高専外で唯一の知り合いだった。
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七海「七海です。久しぶりですね。」
『七海さん...。私、もう駄目かもしれません...。』
七海「どうしたんですか?Aさんらしくないですね。」
『やっぱり私は呪術師に向いてないんです。誰の役にも立てそうにないです...。』
七海「Aさんは自分で思っているほど周りから落ちこぼれていませんよ。私から見れば、よくやっていると思います。」
『七海さん...』
七海「辛いことは沢山あると思いますが、そういう小さな絶望の積み重ねが人を大人にするのです。今が踏ん張りどきですよ。」
『そう、ですよね!七海さんはすごいなぁ...。それに、久しぶりに声が聞けて安心しました。五条さんも心配してましたから。』
七海「少しでも役に立てたなら嬉しいです。それと、高専の皆さんにも宜しくお伝えください。」
『わかりました!七海さん、ありがとうございます!』
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七海「思い返すと、私がAさんを意識したのはあの電話の頃からです。」
『つまり、あの電話が無ければ今も無かったかも...?』
七海「あの時は頼ってくれてありがとうございました。」
『私こそ、頼らせてくれてありがとうございました!』
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〜おまけ〜
《電話の翌日》
『七海さんが皆さんに宜しくと言ってましたよ!』
五条「え?A、七海と話したの?」
『あ....。まぁ、ちょっと諸事情で。』
五条「悪い子だなぁ。僕がいるのにわざわざ七海に...。」
『そ、そういうのじゃないですよ!』
硝子「まーたやってんの?」
『硝子さん!だって五条さんが...』
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霧島もめん(プロフ) - 森さん» ありがとうございます!今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m (2022年2月22日 16時) (レス) id: 118f14d4f7 (このIDを非表示/違反報告)
森 - ひえええ…と…尊い… (2022年2月22日 2時) (レス) @page3 id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霧島もめん | 作成日時:2022年2月21日 14時