第１６６話 ページ12
畔「真鍋君！；」
蓬「真鍋先輩！；」
私たちはコートに倒れている祐君に駆け寄った。
畔「しっかりしてください！；誰か、水を！；」
ぐったりとした祐君の頭と背中に手をやって抱き抱える。顔は真っ赤で、息も荒い。
鍋「はあっ・・はぁ・・・；すまない・・・敗北してしまった・・・；情けない・・・」
畔「そんなことはありません！よくやってくれましたよ・・・！すみません、体調に気づかずに、無理をさせてしまって・・・；」
鍋「はぁっ・・・；いや、俺が望んでしたことだ。お前が謝ることではない。」
畔「いいえ・・・すみません・・・。」
ごめんね、祐君・・・。ごめんね・・・。
柳「真鍋。」
声がした方を見ると、近くに柳君が立っていた。
鍋「柳・・・」
柳君が私たちの目の前に立つと、祐君に手を差しのべる。
柳「・・・馬鹿なことを・・・。」
鍋「・・・・・・」
柳「・・・だが、最後まで諦めなかったその姿勢は・・・見事だ。・・・ありがとう。」
柳君はそう言うと、ぐったりとした祐君の手を取り、握手した。
鍋「こちらこそ・・・ありがとう、柳。」
柳「・・・今度は万全の体調で来い。今日の試合、俺の中では勝ったとは言えない。
・・・万全なお前と戦わなければ、勝利したとは言えない。・・・いいな？」
鍋「ああ・・・。望むところだ。」
そう言って祐君は、苦しそうにしながらも、微かに笑みを浮かべた。
凪「真鍋、とりあえず医務室に行くぞ。」
鍋「先生・・。皆の試合を最後まで見たいんです・・・。椅子に座るか横になっていれば平気なので・・・お願いします・・・。」
凪「・・・負けた。好きにしろ。だがどうしてもダメになったら医務室に連れて行くからな。」
鍋「ありがとうございます・・・。」
修二とりっちゃんが、祐君に肩を貸して、近くの観客席に横たわらせ、私はクーラーボックスから保冷剤を出して、タオルに包んで祐君のおでこに乗せた。
畔「大丈夫ですか？；」
鍋「ああ・・・。ありがとう。」
畔「すみませんでした・・・真鍋君。」
鍋「いや、いいんだ・・・。謝るな。それより・・・最後まで試合させてくれて、ありがとな。」
畔「真鍋君・・・」
私は祐君の手をそっと握った。
畔「こちらこそ、ありがとうございます・・・。」
私が言うと、祐君は微かに微笑んだ。
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 100人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「テニスの王子様」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月乃 - マリオネット(阿莉佐)さん» 返信遅くなってすみません； なるほど、確かに・・・。でもパート１１までは書いてしまったので、１２から、『作品の文章消したりなどのイタズラ厳禁』は書かないでみます。ご意見ありがとうございます！(*^o^*) (2014年3月17日 9時) (携帯から) (
レス) id: 6e417f54e3 (このIDを非表示/違反報告)
マリオネット(阿莉佐) - 月乃さん» あの良いですか?…人って「見るな」って言うと見たくなったり「障るな」って言うと障りたくなります｡あえて､注意書きを消してみれば少なくかもしれせん｡ (2014年2月21日 21時) (レス) id: 0b1279a726 (このIDを非表示/違反報告)
月乃 - チェリーさん» 桜木「ちょ、ちょっ待て春也；(￣□||||！！」 (2013年12月31日 15時) (携帯から) (レス) id: 6e417f54e3 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー - 月乃さん» 湊「暁。俺の言いたいこと分かるよな？(黒笑)」 (2013年12月31日 14時) (レス) id: 6503821d4c (このIDを非表示/違反報告)
月乃 - チェリーさん» 越前「思ってるっすよ。（それにしてもひどい顔だな・・・www）」 (2013年12月31日 14時) (携帯から) (レス) id: 6e417f54e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月乃 | 作成日時：2013年11月21日 17時
