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エピローグ プラネタリウムの星
ボクの家は、海の側のクリニックのとなりにある。
海まで歩いて5分だから、休みの日は海に行ってあそぶか、こっそりうら口から入れてくれるプラネタリウムのおじいさんのところにいって、おじいさんがくれるお菓子を食べながら天井に映るお昼の星空を眺める。
ボクは海も星もだいすき。
海はいつでもそばにあるけど、星は夜ふかしするとお母さんがおこるから見れない、と言ったら、お父さんがプラネタリウムのおじいさんに話をしてくれて、それ以来ボクはプラネタリウムの「じょうれん」になった。
おひるごはんは、家のとなりの、お母さんが勤めているクリニックで、お母さんとお父さんと、おじさん2人と食べる。
「午後は何をするの?」
ニコニコしながら、お母さんが聞く。
プラネタリウムのじょうれんになったことは、お母さんにはないしょ。
本当はお金を払って行くところだけど、とくべつに入れてもらってるから、お母さんはいい顔をしないよってお父さんもおじさんたちも言ったから。男だけのひみつ。
だからお母さんは、ボクがいつも海であそんでいると思っているはず。
「海にいくよ」
「そう、気をつけてね」
お母さんはにっこり笑って、水筒にジュースを入れてくれた。
お父さんとお母さんとおじさんたちは、とてもなかよしだ。
お母さんが、お父さんたちがキャッキャとじゃれあっているのを見て、あきれたように、「中学生みたい」と言っているのを聞いて、ボクも中学生になったら、お父さんやおじさんたちみたいになるのかな、と思っていたら、
「なんちゅう顔しとんの」
「顔、こんなやったで」
「お手本がこんなんではカッコよく育てへんな」
それぞれボクの頭をガシガシしたり(ちょっと痛い)、ボクの顔マネをしたり(ぜったいそんなヘンテコな顔してない)、勝手にしょんぼりしたり(多分ボクはがっかりするような顔をしてたんだろう)したので、ボクは多分あきれたお母さんと同じ顔になって、「ごちそうさまでした」をした。
「行ってきます」
今日は2時からボクの星の回なんだ。ぜったい見逃せない。
「おう、気ぃつけよ」
「長袖着ていけ、冷えるかもしれんから」
「いってらっしゃい」
「はやく帰ってきてね、昴」
Fin
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きりん虫(プロフ) - かさねさん» かさねさん、お付き合い頂いてありがとうございます!憧れの作家さんからコメントを頂いてとっても励みになりました。また読んでいただけるようにがんばります。 (2019年4月1日 6時) (レス) id: 04ee5be231 (このIDを非表示/違反報告)
かさね(プロフ) - ちょっと泣きそう‥。毎日の癒しでした、お疲れ様でした! (2019年3月31日 22時) (レス) id: e9dff60579 (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - chiakiさん» chiakiさん、読んでいただいてありがとうございます!コメントとても嬉しいです。長くなった上グダグダしてしまい楽しんでいただけているのか不安になりながら更新していました。新しい話もあげてみましたので良ければよろしくおねがいします。 (2019年3月31日 7時) (レス) id: 04ee5be231 (このIDを非表示/違反報告)
chiaki(プロフ) - はじめまして。最初から最後まで更新を毎日楽しみにしながら読ませて頂きました。日常に溢れかえる愛のようなものをひしひしと感じて、すばるお兄ちゃんからのお手紙にも泣きました…またどこかできりん虫さんのお話を歩けるのを楽しみにしています。 (2019年3月31日 6時) (レス) id: 358b411256 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん虫 | 作成日時:2019年3月29日 5時