コップの中のあらし（青）2

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Aちゃんを教会に送り届けたら、僕にはもう予定がなかった。

披露宴はこのホテルでやるから、このままホテルで待っててもええかと思ってブラブラする。



新郎も新婦もAちゃんの大学の時の友達やって言うてたけど。

Aちゃんの周りではもう「結婚」が身近な事なんやな、と思ったらどきっとした。

正直、僕にはまだ遠い未来の事にしか思えない。


子供は多い方がええとか、ちゃんとお互いの顔が見えるとこで仲良く暮らしたいとか、そういう願望はあるけど



自分でお金を稼いで、そのお金で2人で生活する

働いて、Aちゃんを満足に幸せにする


そんなことができるやろうか、僕に。





ホテルのロビーにはブライダルのコーナーがあって、レンタルの衣装なんかも置いてある。

式を予定してるカップルが何組かおったから、僕もつられて中に入ってみる。


カップルの女の子たちはみんな幸せそうな顔で衣装を試着したりしている。


幸せは女の子をきれいにするのかもしれない。


でもここにいる幸せが決まった女の子たちよりもやっぱり、さっき別れたばっかりのAちゃんが

僕には特別にきれいに思える。



新婦の衣装のきらびやかさに比べて、新郎のはあんまり選択肢がない。

結婚式は花嫁さんが主役、とかいうもんな。
ウエディングドレスだけやなくてベールやらアクセサリーやら靴やら、選ぶもんは山ほどあった。


近くで見たらレンタルやのにびっくりする値段が書いてあって、僕はますます現実を思い知る。






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