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ため息をついて無造作に置くこともできないブーケを見る。
きっと私に見せつけたかったんだろうなぁ、今の自分達の幸せを。
花に罪はないし、きっと幸せになってほしい思いを込めて大切に作られたんだろうにこんな当てつけに使われちゃってかわいそう。
「捨ててけば。家に持って帰ったら呪われそうじゃん」
私と同じく二次会の波に乗らなかった二宮君が毛虫でも見るような顏でブーケを見て言う。
当時私達は同じサークルにいたので、二宮君は私と新郎新婦にまつわる恥ずかしい泥沼劇を全部知っている。
別れた彼氏が後輩と付き合ったことは苦い思い出ではあるし、今思えば二股を掛けられていたのかもしれないとか思ってしまうけど、それももう昔のことだし。
思い出すと本当に恥ずかしい。
きっと自分でも気づかないうちに、呪いのブーケを送りたくなるようなことをしたり言ったりしたのかもしれない。
自分が無敵だと勘違いして考えなしに行動するから、今になって報いを受けたんだと思っておこう。
「A、変わったな」
「社会に揉まれたの。二宮君は変わらないね」
当時の友達と会うのは本当に久しぶりで、実家に引きこもる少し前で完全に付き合いはなくなっていた。
つまりその後の私のどん底低空飛行を知らないから、二宮君が知っているのは無敵の私だけだ。
当時の二宮君は、今と同じで誰に対しても態度が変わらなくて全てを達観している雰囲気があった。
「元カレの結婚式に来た空気を読まない女」に普通に接してくれるのは彼くらいだ。
「俺は今の方がいいと思うけど」
「そう、なら嬉しいけど」
「今だから言うけど、あいつと付き合ってる時はあんまり良くなかった」
彼が式場の出入り口のところで招待客と談笑している新郎を見て無表情でそう言ったので、私は笑う。
確かに、あの頃の私は全然良くなかった。
頭の軽い、章大君と同い年の私。
本当に章大君には見せられない。絶対好きになってもらえないから。
「今、彼氏いるの？」
「うん」
「そうか、残念。立候補しようと思ったのに」
そう言われて顔を上げたら、目の前の彼は相変わらず無表情の大人の顔で私を真っすぐ見ていた。
私がよくなったんだとしたら、それは章大君がいるからだ。
付き合っている男で変わるなんて、それこそ馬鹿な女みたいだけど。
章大君は、特別なひとだから。
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めろんぱん(プロフ) - きりん虫さん» ほっておかないで！お泊まりぃ！！ でも別の沼も気になる。。 (2021年9月17日 22時) (
レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - めろんぱんさん» 別の沼に夢中になっているうちにこっちの章大君のことを放置しておりました…。反省。 (2021年9月17日 21時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 二宮くぅん！！！！！！！ はぁはぁ。（おかわり） (2021年9月17日 13時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - きりん虫さん» ナイス二宮投入。うちのにも出すかな。お泊まりお泊まり！！！！ (2021年8月9日 19時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - まろりー。さん» ありがとうございます！かわいい仲良しになっていますでしょうか先生… (2021年8月9日 19時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2021年4月23日 12時
